無意識日記々

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「ライブ配信」とは一体何か?

『君に夢中』発売決定や新春新作予定などは、時期は兎も角それ自体は予想通りというか既定路線だったが、「配信ライブ」の5文字には心底吃驚した。その手があったのか、と。

ただ、それだけに誤解というか、認識の揺れをリスナーに与えてるようだ。あたしも「ライブ」というから生パフォーマンス/生配信/生放送なんだろうと最初は思ったが「収録」なんだと。あーなんて紛らわしい。

そして、その「収録」具合についての記述も媒体毎に揺れがある。あれやこれや読み比べて総合するにどうやら「パフォーマンスの録音録画は終わっていて、現在は編集作業中」といったところなんじゃないかな。まだ完成はしてないけどヒカルの歌は撮り終わったよという。

そして、この配信、オフィシャルで「配信ライブのチケット発売の詳細は宇多田ヒカルのデビュー記念日でもある12月9日に発表します!」という風に言っているので十中八九有料だろう。11年前の『WILD LIFE』や5年前の『30代はほどほど。』などとは異なる訳だ。

でも、こう思うよね。

「生放送でないコンサートの“チケット”って、何?」

って。

録画をお金払って期間限定で観られる、というのならそれはほぼほぼ、

ライブコンサートのDVDをレンタルして観る」

のと変わらないやんね。DVDでなくても、例えばiTunes Storeにはレンタルのサービスがある。再生始めてから48時間とかの制限付きで視聴できる。それと同じになりそう。無期限で永遠に観られるなら「チケット」なんて言わないし。生放送のみ視聴可能か、或いは1週間とか1ヶ月程度の間アーカイブにアクセスできるケースを「チケット」と呼ぶのが通例だ。そうじゃないんだろうか? ならばなんで「ライブ配信」なんていう呼び方を?

多分、なんらかの戦略があるんだろうな。面白いプロモーションのやり方が。

今のところ、「ライブ録画配信」に近いものといえば、『Laughter in the Dark Tour 2018』をスカパー!で1週間レンタルできた例があるくらいか。そのサービスもこの間終わっちゃってたけど。ネトフリなら定額見放題だから、ちょっとそれとも違うね。

収録したものを配信するにあたり「ライブ」を冠するとすれば、たとえばTop Fan PicksのようなYouTubeを利用した「プレミア配信」の方法が有り得る。パフォーマンスは録画だが、チャットルームにヒカルが現れるとかならそれはかなりのアピールポイントになるだろう。或いは、2画面用意出来る人に限られるが、ヒカルがインスタライブをやりながらオーディオコメンタリーをつけてコンサートの模様を観賞する、というのも面白いかも。二度目以降の観賞タイミングが望ましい。あたしも先日「ザバダック小峰公子ザバダックのライブ録画配信を観ながらツイートする」企画を楽しんだ。あれは実際に観た人も二度美味しい企画だったな。ただヒカルはそういうの苦手かもね。

ともあれ、そういった工夫無しに収録映像を「ライブ配信」と謳って、それで有料チケットを買わせるのだったら、優良誤認は言い過ぎにしても、混乱を招くのは必至だろう。今度のデビュー23周年記念日にどんなアナウンスが為されるのか、よくよく注視しておきたい。