無意識日記々

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『Oh baby, baby』

20年前にリリースされたヒカルの曲に『蹴っ飛ばせ!』というのがありましてですね、最初聴いた時出だしで「アイウォンチューベイベー」って聞こえてきて「うわ、ヒカルもまたベッタベタな歌詞を歌ってきたなぁ」と笑いながら聴いて後ほど歌詞カードを確認しましたらですね、その該当部分、

『I want your baby』

だったんすよ。“you"じゃなくて『your』。つまり、“I want you, baby”、「お前が欲しいぜベイベー」という定番の言い回しではなく、『I want your baby』、「あなたの赤ちゃんが欲しいの!」と歌っていると! 十代の女の子がなんて過激な口説き方! そら最後に『勝手な年頃でごめんね』って謝りながら終わるはずやわ! 照實お父さん、娘がこんな歌を歌うんプロデュースさせられてて何とも言えない気分じゃなかった!?(※後日『MTV Unplugged』にてこの一節が実際にお父さんに捧げられてしまいましたとさ、やれやれ!)

…だなんてオールドファンにとっては鉄板ともいえるエピソードを20年振りに掘り返してきて何が言いたいかというと、勘のいい人はもう気づいているかもわからんな、そう、『君に夢中』の

『Oh baby, baby』

の『baby』がもし「赤ちゃん」のことだったら?とついつい考えちゃってね私ね。

いや勿論、歌全体をみればこれが赤ちゃんだと何かとおかしい事にはなるのよ。

『今どこにいる?

 すぐそこに行くよ

 Oh baby, baby』

だなんてアンタ母親が赤ん坊見失っててどうすんのそりゃすぐ行かないと危ないよ事件だよ、ってなもんだし、

『どの私が本当のオリジナル?

 思い出させてよ

 Oh baby, baby』

とか年端もいかぬ息子に何を哲学的な問答投げ掛けてんだよ、って言いたくもなる。そりゃあ、このbabyが赤ちゃんな筈はないわなぁ。

でも、やっぱり引っ掛かるのよね。恋をしたことがないと『初恋』リリース時に言っていたヒカルが『君に夢中』って言い切れる存在ってお母さんか息子かどっちかくらいじゃない?『人生狂わす』とか『バカになるほど』とか言える相手って彼しか居ないのでは? 実際、彼が居たからこうやって復帰して歌ってくれてるんだし、人生の流れを決定づけてくれてる存在でしょ。こういう感情を歌詞にして歌おうって時にイメージする相手が“My baby”、私の赤ちゃんではないのだろうか。まぁ、もう現実の彼は6歳で赤ちゃんではないのだけれど。

それに、

『ここが地獄でも天国』

の一節もね、前も触れたと思うけどここを聴いた時『あなた』の

『燃え盛る業火の谷間が待ってようと

 守りたいのはあなた』

の部分を即連想したしね。どっか、こう、そういう意図もあって『Oh baby, baby』って歌ってるんじゃないのかなぁ?という感触が、理屈でなくこちらに植わり込んでいるのよね。本当のところは、勿論わかりません。どうなのか、ヒカルがいつか語ってくれたら嬉しいねぇ。