無意識日記々

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名前だけでも覚えて帰って下さいっす

『君に夢中』MVのYouTube再生回数が400万回を超えたようで。『One Last Kiss』MVの再生回数が図抜け過ぎている為感覚が麻痺しているが、このペースは宇多田ヒカルとしてはかなり早い。いや速いと書くべきか。まだ公開されて1週間なのに。

この数字はドラマ「最愛」の好評とシンクロする。各種アンケートでも2021年秋ドラマ一番人気は確定なようで、今夜の最終回でますます『君に夢中』MVの再生回数は伸びるだろう。アルバム発売直前に大きなヒットが出たカタチで『BADモード』への注目度はますます高まっていくのではなかろうか。

その『君に夢中』 MVを晴れて(?)のんびり鑑賞した。やっぱりヒカルが映る回数が減ると私の中の評価が下がるね。というか、それが最大の評価軸なので仕方がないというか。『光』や『Goodbye Happiness』や『花束を君に』を絶賛するのはほんとそれがまず理由の第一だもんねぇ。

それはそれとして、より多彩な表情を見せてくれるヒカル。時折、今までに無い凛々しさや引き締まり方或いは気の抜け方があったりして、嗚呼これって自分の女性性ってもんを意識してない時間帯の一幕なのかなと思ったりも。それは例の「ノンバイナリ宣言」を受けてのものなのかな、と思いついてみたり。

そもそもその「ノンバイナリ宣言」は、ヒカルの両性性に親しんだ長年のファンにとっては何の違和感もない話で宣言というか単にヒカルの性格の一部に短く纏まった名前がついただけだよねっていう事でしか無かったんだが、こと情報の流通にとってそれは革命で、方々でこの宣言が知れ渡る事となった。

そうなるとヒカルの中で意識が変わったのかもしれない。自分は対外的にもノンバイナリ的な側面が認知されたという前提で作品を世に提示できるターンに入ったと捉えているのかも。『君に夢中』MVはその嚆矢というか斥候というか、この感じで徐々に浸透させていくつもりなのかなと。次のMVではヒカルの男装姿なんかが見られたりしてね。キャーッ! …っていやそんな単純な話でもねーのか。

兎角名付けというのは恐ろしい。今年も大人気だったなろう小説「転生したらスライムだった件」では名も無き魔物や悪魔に名前をつけるとそれだけでパワーアップする場面が何度も出てくるが、これって「ドラゴンボール」の「サイヤ人は死にかけたらパワーアップする」設定と同様、カリカチュアライズされてはいるが何らかの真実を突いた設定になっていると思う。あやふやな存在が確たる認知を得ることで世界との相互作用が劇的に変わる。「ノンバイナリ」の一言で、ヒカル自身は別に変わらなかったが周りが変わり、その変化に応じてヒカルも対応を変え…となると結局ヒカル自身も変わることになるというそんな循環。となると、その「ノンバイナリ」宣言とほぼ同時期に世に出た『Find Love』の全貌が気になるとこなんだけど…フルコーラスはまだなんですかね!?(このしめ方今年何回目だ??)