『何色でもない花』のMVが3日足らずでYouTube200万回再生を突破したそうな。梶さんも驚いていたが、早いな。実にめでたい。
初手でMVの編集を酷評した身としては、その評価を覆す気にはならないとはいえ、素 視聴回数が伸びているのは素直に嬉しい。ヒカルパイセンが頑張った成果だもんね。曲へのリアクションでいえば、ドラマトレイラーの累計再生数を瞬く間に抜き去った事実を鑑みれば、やはりMVがキャッチーだったという結論になるだろうな。
気になったのは、懸念していた通りというべきか、「映像を見ていると曲が頭に入らない」という感想を幾つか見掛けたことだ。最初に指摘した通り、このMVは曲展開にシンクロしていないので、映像を一つの作品として捉えた時に歌は邪魔ですらある。映像を鑑賞しようとした人が無意識のうちに音の方を認識から除外するのは正常な反応と言えるだろう。『One Last Kiss』のMVがどのカットの写真をみてもそのとき流れている歌詞やサウンドを想起させるのとは対極的だ。いやまぁもっとも、今回のヒカルは歌詞をジェスチャーで表現するタイプのコンテンポラリー・ダンスを踊っているので、それと歌詞は容易に結びつく事は、あるかもしれないけれども。
リラックスして考えると、映像のみを取り出せば良い作品なのだ。コミカルな動きも、歌を無視して「そういうものだから」と思って観れば楽しいし、「どうやって撮ってるんだろうなぁ?」と感心するのもいいだろう。そういう楽しみ方でMVの再生回数も伸びているのかもしれないが、結局は何より宇多田ヒカルパイセンの美しさ、フォトジェニシティが突出している事に尽きる。これはもう圧倒的で、歌がどうの映像がどうのというのを超越して美しい。これはもう仕方がない。映像編集の面はともかく、「MVでは全編で宇多田ヒカルをフィーチャーする」という大方針は積極的に支持しておきたい。あとはどう撮るかだけだ。
この美しさは、肌の具合だとか骨や靭帯がどうのというのに然程依拠しないので、ヒカルさんがパフォーマーとして身体を鍛えているうちはそのまま備わったものであろうから、これはまだあと何作品も、ひよっとしたら何十作品もこのコンセプトでMVが撮られるかもしれない。そうなる未来を後押しする『何色でもない花』MV再生回数の伸び。嬉しくない筈がない。
とかいってたら来週のCDTV LIVELIVEへの出演が決定したのね。『君に夢中』とか『Gold 〜また逢う日まで〜』を歌った番組だっけかな。伝統的にTBSでのパフォーマンスは素晴らしく、それは今も継続している模様なので、今回もその絶品のフォトジェニシティを活かして歌の魅力を存分に伝えてくれたらなと思います。現実の等速であのMVのコミカルな動きを再現してくれてたらネ申なんだけどね!(笑)