無意識日記々

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Find Love & Banned "soko"(there)

そうそう、前回の繰り返しになるのだけど、アルバム『BADモード』初聴時にいちばん戸惑ったのがその『Find Love』だったのよ。理由は、なんてこたない、昨年7月アタマに資生堂のCM(15秒/30秒/60秒)が公開されて以来半年間、それを聴き続けてすっかりそのサウンドに慣れきっていたのでこの曲の事を私が勝手に誤解していた為である。

いやね、「ここ最近の宇多田ヒカルはフルコーラス聴くまで何も判断してはならない」ってのは、それこそ私自身が口を酸っぱくして言い続けてきた事で。その隘路に自分が入り込んじゃっていたとはねぇ。フルコーラスがどんな構成になっていようと、『Find Love』はベースラインがブリブリいうゴキゲンなダンスチューンだと信じて疑っていなかった。

蓋を開けてみると、アルバム全体の中でみた場合、オープニングの『BADモード』とエンディングの『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー』がバリッバリのアシッドハウス・ダンス・チューンとして私の期待に大きく応える一方で、『Find Love』は寧ろ「不思議ちゃん枠」なサウンドだった。これを「期待外れ」だとか「肩透かし」とか形容してしまうのはちょっと違うわな。曲としてのクォリティは抜群に高かったから。

英語詞曲なだけあって、『Find Love』は『EXODUS』のサウンドを強く想起させる。あたしもCMバージョンで『EXODUS』を思い出していたが、具体的にはそれは『The Workout』であり、ああいうアッパーな曲調になっているだろうと思っていた。しかし、実際にはイントロからして『Hotel Lobby』を思わせる見通しのいいサウンドで、聴き終わる頃には「これ『Let Me Give You My Love』じゃん」となっていた。ブリブリのベースラインは脇役で、メインはメッセージ性の強い歌詞とメロウなフィーリングの方だったのだ。

なので、期待していた曲調ではなかったが、『EXODUS』がいちばん好きな作風であった私にとってはやはり大好物なサウンドで。その“期待していた曲調”は上記の通り『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー』が実現してくれていたので結果自分としては万々歳であった。

で。この歌を繙くには歌詞の面から迫った方がよさそうなのだけど、果たしてあたしの英語力でどれだけちゃんと読み取れてるか不安だったり。2月23日に出るCDにはヒカル自身による翻訳が掲載されてないかなーとか期待したいんだけど、12月28日まで曲作りしてたんじゃとても和訳の納品は間に合わねぇよな。それより以前に仕上げておいてくれてたらいいんだが。

なので、今夜はワンセンテンスだけ。

『Slow down, you won't get there by hurrying』

っていう歌詞が出てくる。2:31~のとこだね。訳すなら「落ち着いて? 急いでもそこには辿り着かないよ?」みたいな感じだろうか。日常のあくせくの中だと見失っちゃう大事なことをみつけよう、愛はそこにあるんだから、っていうこの歌を象徴するような一文で。また、いつもヒカルが落ちてるものを見つけられるのも、目的地に急ぐばかりで足許をみるのも忘れている現代人(?)とは異なり、ゆっくりと落ち着いて足許をよくみて毎日歩いてるからだよなぁと妙に納得してしまった。ヒカルは足許に、絆創膏と共に愛も見つけてる。それが『Find Love』なんだろうなぁと。『キレイなひと』と併せて、今後もっともっと歌詞を読み解いていきたい曲ですね。