『Find Love』には
『But I don't wanna be alone』
という歌詞が出てくる。普通にGoogle先生に訳して貰うと「一人になりたくない」という意味になるのだが、自分はこの歌詞にどうも違和感があった。というのも、昨年のヒカルは『PINK BLOOD』で
『自分のことを癒やせるのは
自分だけだと気づいたから』
と歌い、ひとりの自立した人間としての力強さを感じさせてくれていたからだ。更に日本語バージョンの『キレイな人(Find Love)』の方で
『自分の幸せ
自分以外の誰にも委ねない』
と歌ってくれたことでますますその思いは強まった。王子様蹴飛ばしてるからねこの曲。
なのに、ひとりを不安に思うようなこの一節がなぜ入っているのだろう?と訝しんでいたのだが、『道』の歌詞を思い返して合点がいった。
『It's a lonely road
But I'm not alone』
そう、lonelyであってもaloneではないのがヒカルなのだった。
何故なら、
『私の心の中にあなたがいる』
からだ。お母さんへの思いがヒカルの心を強くしていた。
そうなると、『Find Love』の『But I don't wanna be alone』は、「心の中のあなたに居なくなって欲しくない」という意味になるのではないか。
ここで、『Find Love』もまたヒカルが声を失う恐怖について綴った歌だという解釈を持ち出せば、なるほど、声を失うことで母との繋がりが薄れたように感じられてしまう為、それに抗う気持ちをここで歌ったのだと捉えられる。この解釈を以て、当初感じていた私の違和感は消え去った。やはり、少なくとも私の中では、この最近のヒカルの歌う喪失についての言葉の数々が、「声と母との繋がり」に結び付いているのではないかという思いが、また一段と強まりましたよ。他の歌詞についても、再検証の必要が、出てくるかもしれません。