無意識日記々

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コーチェラセトリ総括

自分がそういうノスタルジックな扱いでもあることを理解していたからヒカルさんも『Automatic』を披露する前に『Go back to '98 !』って言ったんだろうし、そこらへんは納得の上だったと思われる。

一方で目下『BADモード』アルバムの凄まじさにあてられているリスナーからすれば現行の宇多田ヒカルの現役感を炸裂させて欲しかったという意見も出る。で、何故かこういうときに『Face My Fears』の存在が無視されるのよねぇ。

何故かって、単純にこの曲が『BADモード』の中でいちばんリリースが古くてサウンドも異質だからだろうな。他の共作者たち、小袋成彬やA.G.クックやサム・シェパードが複数曲を担当してるのにスクリレックスだけ1曲だけというのも異質感を助長する。トラックとしては3曲でいちばん目立ってるんだけど、これも悪目立ち風に捉えられてるのかな!?

ただ、こういう"ほんの少し前のサウンド"ってフェスの場では好評なのよね。初めて聴く曲でもすぐ乗っかれるから。フェスの場で「これが今最先端のサウンド!」ってのを提示しても、ただただボーッと眺めてるしか出来ないからね。リズムに慣れてるって大事。

Twitterみたいな言論空間では多数派に見えてしまいがちだけど、フェスで腕組みしながら難しい顔で音を聴いてる人って極々少数派で、大概の人は踊ったり叫んだり和んだりしに来てる訳よ。十時間も集中力続く訳ないし、やっぱりそこは音と人の渦の中に飛び込んでいきたいところ。そういう時に「あぁ、こういうサウンド知ってるぞ」っていうのは、「今更」とか言われるより「ノリやすい」ってのが圧倒的に多い結果になる。

反応人数の大小で選曲するのが必ずしも正しい訳ではないけれど、限られた時間で出来るだけ満足して貰う為のひとつの指針にはなる。それを考えたときに『Face My Fears』のサウンドはフェスにちょうどいいものだったと言える。いやま、『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー』やってたらもっと盛り上がってたかもしれないけどねぇ!?

なので、今回のセットリストは、

「88risingからのメッセージ」

「聴衆の知ってる曲・聴きたい曲」

「その場でノリたい人向け」

「ヒカルがライブで必ず歌う曲」

といった複数のニーズを満たすいい選曲だったと思われます。勿論これは、選ぶ側の理屈であって、オーディエンスとリスナーは素直に自分の聴きたかった曲を言えばいい。あたしはあの日暮れ時の空の下で『残り香』を聴きたかった…!

で、こういうベストに近い選曲をフェス初出演でした後、次はどうするかという時に今回は「(コーチェラの)2週目には出演するの!?」という疑問が浮かんでくる訳ですが、あれま、梶さん昨日帰国したの!? Instagramによると。だとすればヒカルさんの2週目のコーチェラ出演はないのかもねぇ。いや、他の仕事があったから沖田さんに後を託した、みたいなこともあるかもしれないからまだまだわかんないけどね。出ないなら出ないって言ってくれた方が週末張り付かなくていいからラクなんですがw もう暫くコーチェラと88risingの発信はチェックしておきますかね。