無意識日記々

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鶏肉炒めも味付け次第

前回の続きは書くのに時間がかかりそうなので、小ネタを1つ2つ挟んでいきますかね。

先日こんなコメントをうただいた。

by 通りすがり 2022年5月19日

最近Simple and cleanの『baby』はお母様を指しているような気がしています

その部分の歌詞も、「誤解しないで、ヒカルのことは愛してるけど、だからってテルザネと一緒にいなきゃいけないの?」って感じなのかなと…

サビで去っていくところもlettersのようだなと…

光が『私』『僕』と男女の関係だったため、simple~も男女の歌だと思い込んでましたが、相手がお母様でもしっくりきます

https://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary/cmt/3aab5516b808afd69feb48e9eb900e46

その発想はなかったわ! なかなか面白い着眼点。20年前の歌でも、こうやって新鮮な解釈に出会えるのは楽しいわねぇ。

この「baby=お母さん」説は、『Simple And Clean』の他のパートとの整合性が鶏肉炒め、いや違うよ(笑)、取りにくい為、「完成した歌詞」においてそれをそのまま当て嵌めるのは難しいかもしれないが、創作途上での「この部分の歌詞が出来た切っ掛け」としては、おおいに有り得る。そもそも、ヒカル自身が初期の歌詞を「両親との関係性が大きく関わっている」と認めているのだしし、仮に歌詞が実体験に基づいているとすれば、この

『Don't get me wrong I love you

 But does that mean I have to meet your father ?』

の一節を、当時の婚約相手である紀里谷和明氏が言ったかというと、ないよねぇ?というのがずっと気掛かりだったので、お母さんの発言がアイデアの元だとすればかなり合点がいく。ほんと、まじでこれちゃうか…。

ヒカルは、そういった実体験や虚構から得た様々な素材を一旦解体して再構築することで歌詞を作り上げていく。タイアップ相手がいる場合も、その素材の中に脚本や原作の要素を取り入れて、他の素材と違和感なく馴染ませて統一された味付けにしていくのが腕の見せ所なので、当然それが物凄く巧みだ。故にキングダムハーツの主題歌たちも、ゲームの世界観にフィットしつつ、普通にラジオから流れてくるポップソングとしても通用する仕様になっている。決して、閉じたままにはならないのよね。

それにしても、自分の結婚周りの歌の歌詞に親の結婚観を入れてきていたとしたら、色々と考えることが増えそうだな今後。いやはや、もっと頭を柔軟にして昔の曲も今の曲も見て聴いていきたくなりましたわ。ナイスコメントでした通りすがりの人ぉ。