無意識日記々

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『We can』/『行き』やすいとこがいいね

基本的なとこから行くか。

兎に角『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー』という曲は歌詞に中身がない。聞いたまんまだ。

更に、英語と日本語で内容が同じなのその「安直なイメージ」に拍車を掛ける。

♪ I'm in London, you're in Paris

♪ ぼくはロンドン、君はパリ

♪ Shall we try to plan a rendezvous vacay

♪ この夏合流したいね

♪ We can pick a spot with easy access

♪ 行きやすいとこがいいね

♪ Maybe somewhere near Marseilles

マルセイユ辺り

♪ Somewhere near Marseilles

♪ Somewhere near Marseilles

─試しに英語のサビと日本語のサビを一行ずつ交互に書いてみたが、完全に逐語訳である。もし仮にこの曲に和訳字幕がついたら間違いなく混乱する。さっき字幕で出てたのそのまま歌ってる!ってなるもん。(英語のサビが先、日本語のサビが後に歌われるからね)

こんな身も蓋もないことをして安直な、と一瞬思いかけるが、冷静にみると誰にでも出来る仕事ではない。『Shall we try to plan a rendezvous vacay?』を『この夏合流したいね』にまとめるセンスは凄い。何しろ同じメロディなのだ。この文の直訳「ランデブー・バケーションを計画してみませんか?」から『この夏合流したいね』って、結構遠い。「夏休みに会う計画を立てる」から「この夏」は出てこねーよ。でも意味は完璧である。しかもちゃんとメロディの尺に合わせて更に次の『行きやすいとこがいいね』と語感&語尾も揃えてある。その『行きやすいとこがいいね』も、直訳の「私たちはアクセスしやすい場所を選ぶことができます」から導くのはなかなかに難しい。最初の『行き』なんて英語の『We can』と同じ音韻だしな。ヒカルからすればお茶の子さいさいなのかもしれんが、この歌の軽い調子を職人技が支えてる事は忘れない方がいいかもしれない。

……いや、聴いて楽しんでる時は是非忘れて欲しい(笑)。そういう小難しいことをアタマから消し去ってオーシャンビューの壮大な景色を妄想しながら「よ・やっ・くぅ~♪」とウキウキ鼻歌気分でポチッとなしましょうね、っていう歌なのでね。12分弱の最長尺楽曲だけど、重々しい、重厚な雰囲気の作りではなくて、しれっと始まって軽快に展開していくのが魅力なので。替え歌を作るなら、

♪ We can pick a song with easy rhythm

♪ ノりやすい歌がいいね

♪ Maybe somewhere near Marseilles

マルセイユ辺り

♪ Somewhere near Marseilles

♪ Somewhere near Marseilles

ってとこですかね。あはは。