無意識日記々

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他にもstrongなsomethingはあるか?

前回は『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー』の

『Give me something strong enough』

の"something strong"が、身体的な強さや精神的な強さのことだという解釈について語った。では、更に他の解釈はあるだろうか?

最近のヒカルの発言の中で他にstrongを使ったものはないかなと検索したら、ありましたよ。『Liner Voice +』の、『気分じゃないの(Not In The Mood)』についてのコメントで。

『That could be a poem that she had written. And It took an different meaning now

Rain rain go away

I'm not in the mood today

When I thought of it as a rain by someone who has no shelter it takes on a stronger meaning for me. 』

(訳:「もしかしたら今私が書いてるこの歌詞は、彼女が書いた詩であったのかもしれない。それが私に、この曲のサビの歌詞に違った意味を齎した。(歌の歌詞の訳は省略)ここの歌詞の雨が、雨風をしのぐシェルターがない人に降る雨なのだと考えた時、この歌は私により強い意味を与えてくれる。」)

ここだけ取り出してもなんのこっちゃわからんな。夜のバーで雨を避ける歌(『Rain, rain go away. I'm not in the mood today~♪』)の歌詞を書いていたら、今宵の雨風を凌ぎたいと詩を売る人に話し掛けられた、というエピソードがヒカルにとって「とても強い意味があった/stronger meaning for me.」と語っている訳だ。

いわば、このエピソードは、この歌の歌詞をその日(2021年12:月28日)見た出来事で埋めようという、締め切りに追われた作詞家による「苦し紛れの窮余の一策」だと思っていたところに、思わぬ所から「これでいいのだ」とゴーサインを与えてくれた、この歌詞を採用していいのだという判断と決断を後押しする意味を与えてくれたのだ、と。

書き方がややこしくなったが、

「こんなテキトーな歌詞の書き方でいいのか私!?」

と思ってたのが

「この歌詞の書き方でよかったんだ!」

と確信を持てたという話だ。

これについてヒカルは『stronger meaning for me』、私にとってより強い意味があったと語っているのだ。

で。そもそも、"something strong"があったとしてどうしたいかというと、

『Give me something strong enough』

そう、『Give me』なのである。それが欲しい、それをちょうだい、とヒカルは歌っているのだ。宇多田ヒカルが『Give me』と歌うのは当然『Give Me A Reason』な訳ですよ。meaning=意味、とreason=理由、なんとなぁく似ていると思いませんか。次回はそこらへんの話から。