無意識日記々

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リナ・サワヤマのブレイクで「エキソドス」の事を思い出したの巻

先月発売になったリナ・サワヤマのセカンド・アルバム「ホールド・ザ・ガール」が英国チャートで3位に初登場したのだと。凄いな! Wikipediaによると日本生まれのアーティストとしては史上最高の順位とのこと。ある程度売れるかなと思ってたけど、いやはや、いきなりブレイクしてきましたわね。

https://twitter.com/rinasawayama/status/1190109604321124353

宇多田ヒカルリスナーにとってリナ・サワヤマといえばこのツイートが有名なのではないか。リナのライブの楽屋にヒカルが表敬訪問したときの1枚。2019年11月だからもう3年近く前になるんだな!

ここでヒカルのことをマイ・アイドルと呼ぶのみならず「私が音楽をする理由」とまで言い切っているリナのヒカルへの信奉振りは余程のものがあるのだろう。そんな女の子がこうやって英国で大成功を収めていると知ればヒカルもとても嬉しいだろうね。

しかしこのアルバム、売れるだけあってこれでもかと売れ線狙いの曲が並ぶ。ファースト・シングルだった「ディス・ヘル」がアバの「ギミ・ギミ・ギミ」に似過ぎていたもんだからわざわざアバの許可を取ったんだとかそんな話も。

https://www.rollingstone.co.uk/music/news/rina-sawayama-says-blessed-this-hell-song-despite-likeness-to-gimme-gimme-gimme-22306/

あのダンシング・クイーンのアバである。そのエピソードが象徴する通り、前作より一層アリーナやスタジアムを想定した楽曲が次々と登場する。そのスケール感は圧巻である。

しかし、こうしてアルバムとして先行シングルを振り返って俯瞰してみると、熟慮計算してリリースを繰り返してきた感がみてとれるな。どれも売れ線ではあるが、総てタイプが違う。どの1曲がブレイクしても、リナに特定のスタイルの楽曲の再生産は期待出来ないことをしっかりアピールしているように思われる。売れる気はあるがセルアウトする気はないということか。誰だか知らないがA&Rとプロデューサー、かなりの切れ者なんだろうな。

そういった先行シングル曲のリリース作戦が奏功してのセカンド・アルバム英国3位なのだとしたら、なんだかちょっと羨ましい。宇多田ファンとして、いやさUTADAファンとしてここで恨み節を呟いてもいいですか?

「『エキソドス』もこんな風に売ってくれたらよかったんだけどなーっ!」

…呟くというより叫んでしまったが、そうなのよ、18年前の今日全米発売になったUTADAの『EXODUS/エキソドス』も、このリナのセカンド・アルバムのように、ひとつの型にハマらない、しかしどれもがキャッチーでヒット・ポテンシャルの高い楽曲が並んでいたのよ。でも当時の米国のレビューでは「アルバム全体として、どのマーケットにフィットするかわからない」っていう論調が主流だったのよねぇ。要は曲調にバラエティが有り過ぎると。だからどの特定の趣味の人たちにも食い足りないと。

だったらこんな風に、リナみたいなアプローチの仕方で売り込んでくれたらよかったのに。ホントに2004年当時のアイランドは何もしなかったな! 売る気なかったよね?? …以上、18年越しの恨み節でした。(笑)

でもね、実を言うと今のリナも当時のUTADAと似たようなとこがあるんだよね。彼女の自国と言える英国では上記の通り3位なんだけど、全米チャートではまだ166位が最高らしいのよ。これって日本では初登場第1位(どころか年間6位!)だったけど全米チャートでは160位だった『EXODUS/エキソドス』と殆ど変わりない。更に日本ではこのリナのセカンドは29位?だったのかな。生まれ故郷でもまだまだブレイクの余地はあるのよね。今後は英国での成功をどう輸出していくかがリナの課題になっていくだろう。

取り敢えず日本では、宇多田ヒカル来日公演のオープニング・アクトとかどうでしょうか? マリンスタジアムあたりで。いやダブルヘッドライナーかもしれないな場合によっては。この1月にはリナが単独で初来日ツアーするそうですが、そこで再びヒカルが表敬訪問とかしたら熱いんだけどねぇ。写真UP、待ってます♪