無意識日記々

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ペンタリンガル・ガール(40)見参!?

しかしあたしゃ「初披露曲」が真っ新な新曲でなくて安堵したですよ。あれだけ美しい顔面を数十分堪能した後に真っ新な新曲を注ぎ込まれてたら多分いろいろオーバーフローしてたろうからね。

てことで初披露されたのは予てから存在が周知されていた『君に夢中』の英語バージョン…と、素直に言い切れないテイクでしたな!

イ、イタリア語!? え、英語! んで日本語も?? えーなにこれなにこれとかって言うてるうちに終わってまいましたわ。ほんま既存曲でもこんだけ惑わせられんねんな!

でもこの戸惑いには既視感があってだな……あぁ、あれだわ! 『Utada In The Flesh 2010』初日公演をホノルルで観たとき「日本語の曲もやるよ」的な事を言って歌い出した『Passion』がそのまま『Sanctuary』に移行した時のあの戸惑いだよ! 「え?え?どういうこと??」言うてる間に曲が進んでシングル・バージョンの年賀状パートまで歌い切られたんだよ! あの時の感覚が甦ったわ。

https://www.utadahikaru.jp/news/detail.html?id=548895

で、この『君に夢中』の3ヶ国語バージョンの正式なタイトルは『Rule』らしい。歌詞に出てきてたみたいだけどよくわかりませんっ。アーカイブ早よ。ただ、これ多分「夢中」とかと母音を合わせる意図よね。うーん、ファースト・コンタクトはサプライズ過ぎてちゃんとした感想が書けないわ。

んじゃ戸惑いの仕返しに何の根拠も無い推察をひとつ。これ、実は本気で裏で真っ新な新曲の初披露も画策していたのでは?? それが実際に間に合わなかったのでこの『Rule』の方を披露したんでない? ─まぁ、真相は闇の中ですし、ヒカルさんはそういうことする人ではないので(崖っぷちがモットーの人がそんな保険掛けるような真似はしないでしょ)、多分違うとは思うけど、有り得ないとまでは言えないかなと思ったので記しておきましょう。

そしてもっと驚いたのがバッド・バニーのカバー! 予想するどころか「いやこれヒカルさんは触れないでしょ」って箱に私が勝手に入れてたアーティストのカバーをしてくるとは全く以てやられた感が強い。虚を突かれたわ。

「Me Porto Bonito」という曲はプエルトリコ、スパニッシュ系の言語で歌われてるらしく、なるほどそういう発音だったけど勿論あたしは何言ってるか全然わからんかった。というか、これも多分だけど、ヒカルさんも意味がよく分からないまま耳コピで歌ってると思しき瞬間もあり、「耳がいいんだなぁ」と妙に感心したりもしていた。

いやはや、この流れ、どうなるんだろうね。意図的に日本語英語に加えてイタリア語とスペイン系~ラテン系の言語をぶち込んできた。既にフランス語は手掛けている(『ぼくはくま』『Hymne à l'amour 〜愛のアンセム〜』『俺の彼女』)ので、都合5ヶ国語を操るシンガーという立ち位置になってきたぞ…どこに向かってるんだ宇多田ヒカル…。

『BADモード』が「初のバイリンガル・アルバム」として大々的に好評を博したというのに、このままではその『BADモード』が「最後のバイリンガル・アルバム」になってしまいかねないぞ? 次からは「トリリンガル・アルバム」や「クアッドリンガル・アルバム」「ペンタリンガル・アルバム」になっていってしまうのでは…?

でも、出来るんならやっちゃえばいいと思うの。5ヶ国語くらいで歌ってくれれば、地球上のかなり多くのリスナーが「宇多田ヒカルが自分にもわかる言葉で歌ってくれてる!」という喜びと「宇多田ヒカルが自分にはわからん言葉で歌ってる~…」という戸惑いの両方を1枚のアルバムで味わえるからね。ある意味、今よりずっと平等になるだろう。日本語圏民は今まで恵まれ過ぎてたのよさ。親近感と疎外感。両方を味わってこその宇多田ヒカル、なんて流れになるのかも。

そうなってくると、ヒカルが今回も最後の〆に持ってきたテーマ『Everybody feel the same』のより具体的な実践がどんどん生まれていくのよね。ひとりひとり違う人たちが皆同じ事を感じてるってわかっていく為にはどれだけ多様な表現が要っていくのかってのをヒカルさんはよくよくわかっていらっしゃると思うからさ。

しかし、これ、クマ・チャンの故郷である中国の言葉で歌う機会は訪れるんだろうかね? 中国語といっても幅広いだろうし…いやまぁ、自由な歌詞が歌えない言語には手を出さないかもね。今んとこ。

こちらとしては今ですらイタリア語についてけてないから、焦らなくていいですよヒカルさん! 『9代はここどこ?』までまだ半世紀、50年あるんだからね!