無意識日記々

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風に吹かれへん

藤井風くん凄いねぇ。この3年で瞬く間にトップアーティストに登り詰めて。もう紅白でいつトリを務めてもおかしくないし(曲はもう務めましたね)、海外での人気も圧倒的なようで。

兎に角総てが揃ってるよね。声良し曲良し顔良し人良し。何もかも完璧で、彼については絶賛しか生まれない、そんな空気。でもあたしはあんまり彼に関心がなくてね。

というのも、完璧過ぎるのよ。何もかもが隅々まで隙無くコントロールされているように見えてしまっていて。ビシッと決めるべき所を確り決めてくるのみならず、ゆるく隙を見せるとこもあって、そこがまた人気を高める秘訣になってるのだけど、あたしの目から見るとそれすら計算尽くの自己プロデュースの結果に見えてるのよな。寝間着姿でインスタライブをやって、そのまま紅白に出てこれたのも(一昨年の初登場の時の話ね)、あれ全部作り込んだ結果なんじゃないかなと。

恐らく、私生活も全部ああなのではないかなぁ。その昔田村正和が「どんな親しい人に対しても食事する姿を見せたことがない」だなんて伝説を生んでいた。渥美清もフーテンの寅さんのイメージを損なわないよう振る舞っていたとか。役者が私生活まで芝居をしてしまう例だが、歌手でそんな風に感じさせてくれるとはねぇ。デーモン小暮が人間のフリをしてるのとは訳が違うレベルよね。

まぁ勿論、あたしに人を見る目があるとは思わないので、風くんが本当にそういう人なのかどうかは知らない。TwitterのFFさんの間で、特に女性陣の間で物凄い人気なのでたまに動画を拝見したりするのだけど、崩した笑顔まで総て計算尽くにみえてね。そりゃモテるわなーと大納得ではあるのだけれど、お陰で不気味な感じがしてあんまり近寄りたくなくなるのよね。

本音が全く見えない。マイケル・ジャクソンみたいに音楽で世界を救うつもりなのかもしれないし、案外野心家でお金儲けや自己承認に躍起なのかもしれないし、歌を歌っていられればそれでいい人なのかもしれないし、そのどれでもないかもしれない。兎に角、この人が根っこで何考えてるのかが全くわからないのだ。カバー動画が不適切で謝罪したとか、宗教的メッセージがステルスだったから話題になったとか、これもどこまで計算してるのか全然わからない。なんだろう、つまり、そこを探ろうという興味が湧かないのよね。いい歌を沢山生み出してるってのは無条件に尊敬してるけども。

翻って私がヒカルさんに毎日興味津々なのは、あんまり演技してないからなのよね普段。『40代はいろいろ♫』でも、『トークの内容はちゃんと考えておいたし』という割にしっかりあっちゃこっちゃ行ってたし、そもそもこう呟いてる時点で普段はあんまり考えずに喋ってんだなとよくわかる。

勿論ヒカルさんも有名人。言ってないこともたくさんあるだろうし、うちらに嘘を言って騙してきたことも幾つもあるだろう。現在進行形で何か騙されているかもしれない。だけど、たとえそうであったとしても、ヒカルさんはいつだって剥き出しなのよね。取り繕わないし演技もしない。実際に御芝居の勉強をしたら役者としても結構やれるとは思うんだけど(そしてピノコリベンジをして欲しい(笑))、そことは別次元で、剥き出しの所からスタートしないとこういう歌詞や音楽は生まれないと24年かけて説得されてきたってのが大きいのよね。何よりも大きな信頼は、MCやトークがグダグダになったり、テレビの生放送でマイクのスイッチを入れ忘れたりといったアクシデントの数々によって担保されているのだ。毎度のハラハラドキドキこそか信頼の証。

だから私、毎度あれやこれやとトラブルに文句言ってるけど、それって根本では物凄く喜んでるのよねぇ結局。宇多田ヒカルは自己プロデュースに長けているけど、「この子は剥き出しの本音から始めるべきだ」がメインなので訝る隙が無い。あらゆる才能に恵まれているのに、あれやこれやとグダグダなのは「愛すべき」以上の意味が私にはある。…ということで、何が言いたかったかというと、『40代はいろいろ♫』、トーク部分のアーカイブも楽しみだなもうあと1日ちょっとで観れるぞ!っていうことでしたとさw

追伸:どこかで私が「風くんはこういう人だったのか」と合点がいったら途端に彼の大ファンになる可能性は、もちろんあります。才能の素晴らしさは疑いようがないからねぇ。