無意識日記々

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「最愛」の歌としての『Rule(君に夢中)』

最近は毎日、Netflixでドラマ「最愛」が観れるようになってるよ、「First Love 初恋」だけじゃないよと共和国アカウントでアピールしてるのだけど、はてさて皆さんもう「最愛」は観られたかしらん? 今回ドラマの内容に触れるけど大丈夫かな?

てことで『Rule(君に夢中)』の歌詞の話を少しばかり。最愛と絡めながら。

英語で歌われている部分に次の歌詞がある。

『The constant texting we do (with you)

 is making me look really rude

 So won't you come and make it stop?

 Oh baby, baby』

あとここね。

『Hop on a Citi Bike And come to my Avenue』

前にここの箇所は、『Citi Bike』と『Avenue』が頭文字大文字で固有名詞扱いだから「ニューヨークのレンタサイクル屋さん」と「(私の生まれ育った街の)通り」なんだと解釈するのが妥当かなという話をした。が、当然というべきかヒカルさんはそういう「自分の歌う歌」としての『Rule(君に夢中)』の歌詞を、「ドラマ最愛の主題歌」としての歌詞としても読み取れるように設えてある。もういつものことなのでいちいち驚かないけどいやアンタ毎度凄いねダブルミーニングの技術!

その為にその前段の、最初に引用した一節をグーグル先生に訳してもらおう。

「あなたとの絶え間ないテキストメッセージは、私を本当に無礼に見せています.

 じゃあ止めに来ない?」

rudeを「無礼」と訳すのはどうなんだ?という問題は次回以降に持ち越すとして、鍵は『constant』=「絶え間ない」だ。これ、ヒカルの歌としては別に要らないんだよね。「メールの遣り取りなんかやめて会いに来てよ!」ってだけだから。不定期でもなんでも関係ない。寧ろコンスタントなら無礼じゃないじゃないかって話まである。

なのにココにこの『constant』があるのは、ドラマの内容に合わせる為だろうっのが私の見立てだ。序盤で梨央が弟の優と月に1回のメールの遣り取りのみで関係性を保っていたという設定があったではないですか。この『constant』はその月1定期メールのことを指していて、そこで梨央が「もうメールの遣り取りじゃヤだ! 会いたい!」ということで遂に会えるようになったわけだ(大分端折った)。つまり、「会いに来てよ、そしてこの月1メールも終わらせよう?」っていう梨央の台詞なんだなここは。

で、その優が情報屋として自転車を乗り回してたでしょ。それを『Citi Bike』って言ってるんでしょうね。文字として読んでるから固有名詞扱いってわかるけど、音だけだと「city bike」、街乗りの自転車でしかないからね。なので梨央としては優に「自転車に乗って会いに来てよ!」と言いたかった─というのが『Hop on a Citi Bike And come to my Avenue』の部分のドラマの主題歌としての読み解き方になるだろう。

そもそもこの英語の歌詞って多分日本語の歌詞の為の叩き台みたいなものだったろうから、ドラマの内容を含んでいても差し支えなかったんだろうな。だけど今こうやってNetflixで配信されることで海外でも視聴可能になって、『Rule(君に夢中)』がドラマ「最愛」の主題歌としても広まっていったりしたら新しい局面に成り得るかもね。ちょいとワクワクしますな。