無意識日記々

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猫の手を借りた1枚

うぉぉ、昨夜のインスタ投稿、なんという尊い写真か。母、子、猫。ロンドンの猫カフェでの1枚。もうこれは一幅の絵画よね。美しい。未来の美術の教科書に「21世紀当時の(猫カフェという)世俗的な背景と時代に依らない普遍的な親子の仲睦まじい姿を描いた1枚」とかって紹介されるヤツだ。

ヒカルさんのいつの間にか随分伸びた後ろ髪に隠れるように元気そうなダヌくんの近影が窺えるのがまたよき。我々にとってヒカルに「こどもができた!働かなきゃ!」とプロフェッショナルな音楽家としての復帰を決意させてくれた一生大恩ある人物だからね。尊い。どこまでも尊い

そしてこの絶妙な顔面の隠し方、宇多田ヒカル的既視感、まるで終わらないデジャヴ、Never Ending De-javuを感じさせてくれるなと思ったら、あれですよ、ヒカルの好きなドガですよ!

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あと、これはちょっと反則気味(笑)だけど、実は、この絵の、この女の人が、ドガの絵の中で私が一番好きなとこ。なんかマニアックでごめんなさい。

あの有名な画家のマネ(Manet)と彼の奥さんを描いたもので、ドガがマネにプレゼントしようとしたんだけど、どうもマネが激怒して絵を破いちゃったんだって。それであの女の人の顔が切れてるの。

最初からこういう絵だったらよかったのに、って思うくらいあの顔の切れっぷりが好き。なんでだろう。あの切れてる位置が、とってもいいの!!!顔の見え具合、というか、見えなさ具合が。いいよね!

https://www.utadahikaru.jp/from-hikki/index_35.html

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そう、ヒカルさんは「顔の切れてる絵」が好きなのだ! この際、マネが破いたとかいう経緯は関係ない。『最初からこういう絵だったらよかったのに』と言っている通りだ。まさかその理由が、未来に自分が息子と顔の切れた幸せな1枚を撮るからだとは当時のヒカルは知る由もなかった…というのは言い方が変だとしても、今回のインスタは、単にヒカルが息子のプライバシーに配慮したのみならず、1枚の写真として、1枚の絵として好ましい作品をアップロードしたのだと言うことが出来る。

……その渾身の1枚を撮影したのが誰なのかはさっぱりわからないのだけど!!(笑)

猫カフェの店員さんなのかなぁ? ヒカルが猫を撮影しようとしている所をシャッターチャンスだと見定められるって相当センスいいよね。ってか、ヒカルの好みの1枚を撮影できる誰かってそうそう居ないよね。もしやダヌパパ?? いや、ロンドンで会うかなぁ…?

まぁそこ勘繰るのは野暮ってことで置いといて。

インスタとツイッターに書かれたコメントもいいわね。キラッキラのパリコレから帰ってきてほっと一息。こういうのを「庶民派をアピールして好感度アップ」とかいう意図もなくサラリと公表出来るセンスよな。もう今のヒカルは、昔みたいに「ファンに疎遠感や疎外感を感じさせないように」とかの特段の配慮無しに受け手にそういった安心感や満足感を自動的に(Automaticに!)与えられる存在になっている。敢えて思い遣りや気遣いを心掛けなくても、自然と振る舞うだけでそうなる人間になった。若い頃に「笑顔が素敵な人でありたい」とか「人に優しく」とか「いい世界にしてあげたい」とか願っていたのが、40代を迎えた今結実している。いい世界にするにはまだまだ道半ばだけど、こういうのを「大人になった」「夢を叶えた」と言うのかもしれないなぁ。

なので、結果として庶民派アピールと受け取られようがそれによっ好感度が上がろうが、この真の自然体の姿勢には敵わない。パリコレの華やかな世界で特一級のセレブ達からレジェンドに会えたと感激されるのもヒカルさんなら、ヨレヨレの普段着で近所のカフェで寛いでるのもヒカルさんだ。だからどうというのはないのだ。今こうやって生活してますってだけでね。構えんなぁ。

というインスタ投稿をしているのは猫カフェじゃなくてその寛いでる近所のカフェの方であって、いや1回の投稿でカフェ2つ出てきてんの、意識してないと後年絶対勘違いしちゃうヤツだね…だなんてことを気をつけたがるのは、日記をこうやって十何年も書いてるが故の私の感覚の所為ですけどね。

しかし、前回の『猫の手も借りたいくらい忙しいはずなのに』の一言が猫カフェへの前フリだったとはね! …そんなこと誰も言ってませんかそうですか。猫の手を借りて電話番をしてもらっても、こんな風に、電話に出て貰う事もかないません。せいぜい、客になってのんびりするくらいが関の山。こっちが余計に忙しくなるヤツ。パリで感激と感動を浴びまくってきた後の猫の無関心って、堪らなく心地好いだろうな。猫って、いいよね…。