無意識日記々

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『いろいろ♫』での「みんな同じ宣言」

そういややっと『40代はいろいろ♫』のアーカイブ動画を最後まで観たんだった。後半は歌だったので途中で切ることも少なく。やっぱり『One Last Kiss』のミュージック・ビデオはブースト掛かってんだな。いや、普段のヒカルさんがブースト掛かってるってことか。歌になると歌の分だけしか見えないから少し気楽になる。つまり、まだまだヒカルは成長の余地があるのだ。自分自身を越える歌は無理でも、もっと近づいていくことは出来るだろう。

『40代はいろいろ♫』全体の要となっていたのは、フライング気味に引用してしまったがやはり『そう、あたし、人間が、みんな、おんなじだって思うの。』のくだりだろう。虹色バスの『Everybody feels the same』だな。…ふと思い出したけど、『WILD LIFE』のセットリストのラストが『虹色バス』だって事前に言い当ててた人が居たなぁ。これ読んでてくれたら嬉しいのだけど。確信は、掴んだら正解なのだわ。閑話休題

で。全体の流れからしても、ヒカルはこの一言を言おうとして言った感が強い。アーカイブで観直したからわかることだ。これもフライング気味に言っちゃったけど、40代を迎えて次の10年はきっちりこれをテーマに据えてくるんじゃないか。

だが、では、二つ以上の曲をこれからも書くことについてどう思っているのかは訊いてみたいところだ。みんなが感じてる同じ事を表現する歌が有り得るとして、それはたった1曲なのか、そうではないのか。ふむ、確かに、作って歌って伝えていってみないとわからないことかもね。

私は逆に、人の数だけ歌があればいいのに、とかよく思うよ。ひとりひとりが自分のテーマソングを持ってたら素敵だなと思うんだけど。AIが発達して、パーソナライズされた楽曲を素早く制作する音楽家ってのが出てきてもいいと思うんだけどなぁ。

つまり、「みんなが知ってる1曲」を目指す大ヒット指向の職業音楽家と、「私だけの1曲」を書いてくれる個人特化の職業音楽家への二極化が今後起こったりしないかな?という話。ヒカルは前者だわね。後者のヒーローが出てきたら面白いんだけど、そもそもリスナーの方がそういうのに価値をまだ見出してないからな。今後もあるかどうかわからない。

話がやや逸れた。「みんな同じ」を表現する音楽を目指す時、作風はどちらに向かうだろうかな。どんどん似たような作風に収束していくのか、もっと更に多様に幅広くなっていくのか。ピカソは時期によってまるで異なる作風の名画を山ほど生み出したし、小津はほぼ同じ作風の映画を何十作と撮り続けた。天才といっても本当に人それぞれなんだわ。だが、高いところに登れば登るほど、見える景色が似通ってくるというのはあると思う。ヒカルが今後どのような作風の変遷を辿るか、或いは、変遷しなくなっていくのか、今回の「みんな同じ宣言」以降何が起こるのかをじっくり見ていきたいのですよ。ま、多分みんなが満足する形にしっかり落とし込んでくるとは思うけどね!