13年前に較べてヒカルの海外公演に赴く人が増えそうだぞ?と思わせる時代と状況の変化。どんなものがあるかというと…
まず、UTADA名義が実質的に無くなった事が大きい。英語歌詞の歌を歌うのも海外の公演で歌うのも総て宇多田ヒカル名義。アルファベットで書く&呼ぶ場合『Utada Hikaru』なのか『Hikaru Utada』なのかは些か統一し切れてない印象はあるものの、同じ人が日本語曲と英語曲を歌い分けるという体制が漸く整った。最初にユニバーサルとワールドワイド契約したのが2001年だったからかなり長い間「別扱い」だったのよね日本語曲と英語曲。そういう所も、EMIでの世界契約とEPICへの移籍を経て漸く整理されてきたという訳だ。『BADモード』をバイリンガル・アルバムと呼べるのも、そういった背景がちゃんと整ったからだった、とも言える。『Find Love』も『Face My Fears』も日本語バージョン英語バージョン両方入れちゃえ!というノリで押し切った。だったら『Don't Think Twice』も入れて欲しかったな…とか今更言ってはいけない。(なおCD1枚では演奏時間がそろそろ危うかった) まぁそこらへんはさておき、兎に角「宇多田ヒカル」という人は、英語でも歌っちゃうぞ、コーチェラでも歌っちゃうぞというのが共通認識になってるのが今なのだ。なので海外公演なんて別名義別アーティストの別活動だから、みたいなUTADAの頃にあった捉え方は大分薄れているだろうて。
そして他方、「日本のアーティストたちの海外公演が特別ではなくなっている」というのも大きい。UTADAがツアーを行った2010年といえばBABYMETAL結成年である。以降、様々なアーティストやバンドが日本国外でツアーをしているが、特にアジア圏での公演が増加したのが敷居を低くしている要因の一つだろうね。欧米にコンサートを観に行くよりずっと近い。沖縄の人なんか本州の公演に行くくらいなら台湾台北公演に行く方が近いんでない? 知らんけど。という、周りの環境の変化もある。他の人たちも気軽に国境越えてるんだからロンドン在住のヒカルならなんでもないでしょ?てなもんだ。
というように、自身も周囲も海外公演へのハードルを下げている昨今なので、特にそもそもマルチリンガルの音楽家として認知されてるヒカルが海外公演といっても特に驚きはないというか、寧ろなぜ2018~2019年にせめてアジアツアーくらいはやらなかったのかと疑問に思われてるくらいでな。そちらの国々では次こそは来てくれるだろうと皆手薬煉引いて待っているだろうな。
…と、いう感じなのかなとアンケート結果を分析してみました。その一方で、昨今の円安やら物価高やらで渡航費用が昔より跳ね上がってるのもまた事実なので、これ、ヒカルさんが来年以降どのタイミングでどの国をツアーするかって、かなりシビアな問題になっていきそう。後になればなるほど円がどんどん弱くなっていきそうでねぇ。そういう意味では海外公演に行くつもりのある向きとしては「やるんなら早く!」という気持ちも出てくるかもしれませんし、今回のアンケートと同じ問いを一年後二年後三年後に訊いた時にどうなっているかもまた興味深い所なのでありましたとさ。ま、日本国内も回ってくれればかなりの人が助かると思ってるってのもわかったので、そこらへんを是非宇多田公式の皆さんは参考にして欲しいな~なんて、思ってます!(みてくれてるかなぁ??)