無意識日記々

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光今昔物語妄想


「再録曲3曲はライブ向けのアレンジになっているだろう」というのがメインの予想ではあるけれど、それとは違う予想も書いとくか。どちらかというと「それはないかな」とも思いつつ。



『光』がリレコーディングされると聞いて最初に浮かんだのは、オリジナルを歌って録った頃と今とのヒカルの年齢の違いである。『Simple And Clean』と並べて聴くとわかりやすくなるけれど、『光』の歌詞は、恐らく年若い女の子が『家族にも紹介するよ』と意気込んでいるのに対して歳をとった男性が『未来はずっと先だよ僕にもわからない』とややはぐらかすような物言いをする、そんな対比を描いた内容である。『Simple And Clean』の方ではもっと直接的に「だからって僕が君のお父さんに会わなくちゃいけないわけじゃないだろ?」とかなんとか言っているのだけど。


これは、(この歌のオリジナルのリリースから半年後に判明する事だが)当時19歳のヒカルと34歳の紀里谷和明氏が結婚したその状況を虚実綯い交ぜに表現した歌詞なのだと思われる。毎度のことながら、現実というのは虚構と並列して歌詞の題材の一つとして扱われている為どこまでが真実かとかはわからない。まぁそれについては今回はおくとして、この歌のオリジナルを歌った当初のヒカル自身は当然「年若い女の子」の方であったのだが、再録する今回はもう「歳をとった男性」の方に…近いというか追い抜いちゃってるのよね。だから今この歌の歌詞を歌う場合、年齢に関しては二番の歌詞の方がより現実に近く、性別に関してはノンバイナリとしてはどちらにも共感できる立場といったところか。


それなら、とひとつアイデアが出る…というか拝借できるなという感じなのだけど、昨年英国のロックバンド、デフ・レパードがセルフ・リメイク・アルバム(過去曲の再録盤ですね)を制作した際、1984年リリースの“Too Late For Love”という曲で、当時のボーカルと今のボーカルを共演させるという方法をとっていたのを思い出しまして。


なら、ヒカルも『光』を再録するなら、当時の(録音時の)18歳のヒカルの歌声で年若い女の子のパートである一番の歌詞を歌わせ、現在40~41歳であるヒカルが歳をとった男性のパートである二番の歌詞を担当すれば、時を超えた「本人との共演」が実現するなぁ、、、それちょっと聴いてみたいかも?だなんてことを、妄想してしまった次第でございまして。


まー多分、それはないだろうけどね。でも、当時と今では発声からして違うし、一つのトラックで時を隔てた歌声がハーモニーを奏でるのに耳を傾けるのは興味深い体験になるだろうとは思うよね。だけど、ひとつの楽曲の中で、ではないにせよ、ベスト・アルバム『SCIENCE FICTION』では、そういったヒカルの歌声の変遷を25年分一気に振り返れる構成になっているだろうから、もう聴く前の今から感慨が止まらないわ。願わくば、再録曲と新曲の組み合わせが新しい未来を指し示してくれていますように。