『SCIENCE FICTION』のトラックリストとにらめっこしていると、なるほど後半の曲順の意図みたいなものは少しずつ見えてきたかも。
トラックリスト表がCD仕様だったので気づいてなかったのだが、これダウンロード販売やサブスク配信だと別にDISC1とDISC2は離れてるわけじゃないんだよね。そのまま続いて鳴らされる。となるとこれ、DISC1からDISC2 にかけてって、
12 Goodbye Happiness (2024 Mix)
1 traveling (Re-Recording)
2 Beautiful World (2024 Mix)
3 Automatic (2024 Mix)
こういう流れになってるのよね。GBH〜トラベ〜美世界って、なんてイケイケタイムなの! なるほど、ここの真ん中の流れで最高潮に盛り上がってからのAutomaticというのはわかりやすい。ダメ押ししながらもリズム的にはクールダウンということか。そこから更に
4 君に夢中
5 何色でもない花
6 初恋
と、すーっと潮が引くようにテンポがゆっくりになりつつ、『初恋』がひとつの節目のように機能するんだな。そこからまた
7 Time
8 Letters (2024 Mix)
9 BAD モード
10 COLORS (2024 Mix)
という次なるイケイケタイムに突入する。なるほど、『初恋』の厳かでシリアスな雰囲気を継承しつつ、激しさも取り入れていく『Time』という流れはいいかもしれない。更にそこからLettersBADモードCOLORSっていやホントこれこそライブでそのままやってよの流れだわ!
なるほどね、最初あたしはDISC1とDISC2を分けて見てたからこの流れの良さに気づけてなかったんだな(ひとりで納得)。
ただ、これはあクマで「リミックスを考慮に入れなかった場合」のリズムとテンポの流れの解釈なので、特に『Letters』と『COLORS』には注意が必要だ。この2曲はライブとなるとついつい弦楽隊を引き連れてバラードに変貌するヤツらだからだ。今回ベスト盤リリースに際していよいよそのライブバージョンをスタジオテイクとして再現するつもりなのかもしれない。そうなるとこのトラックリストはまた全く別の色合いを帯びる事になるだろう。ともあれ、そうなると次の
11 二時間だけのバカンス featuring 椎名林檎
12 Gold ~また逢う日まで~
13 Electricity
14 Somewhere Near Marseilles -マルセイユ辺り- (Sci-Fi Edit) [Bonus Track]
の4曲はコンサートのアンコール感が強いというか。マルセイユをボーナストラックと称してるのなら、例えば『WILD LIFE』での『嵐の女神』のように、全体のアウトロ的な立ち位置なのかもしれないな。
何にせよ、DISC1とDISC2を繋げることで、後半に関してはこのトラックリストは
「擬似ライブ・コンサートのセットリスト」
という風に解釈できるようになったかと思う(主に私が)。ただ、だからこそますます2曲目が『First Love』なのが謎…! 宇多田ヒカルのコンサートに行ってまだ身体が暖まってきたかどうかのとこでスタンダードなバラードなぁ…再録中毒がバラードなら、冒頭の
1 Addicted To You (Re-Recording)
2 First Love (2022 Mix)
3 花束を君に
は、MTV UNPLUGGEDみたいな「アコースティック・セクション」ということで、スロースタートと解釈できなくもないんだけど、うーん、まだこちらは釈然としないものが残るわ。
ま結局、リレコーディング・バージョンとリミックス・バージョンの方向性次第で、このトラックリストへの解釈はどんどん変わっていくことになるわけで。一曲でも原曲よりテンポが速かったり遅かったりするだけで全体の印象は全く異なってくる。更に言えば、曲間の繋ぎ次第でも大きく変わる。これに関しては、リマスタリング時に曲間をクロスフェイド出来たりするらしいので、ぶっちゃけ全曲が変化の原因に成り得るのだけどそれに関してはまた別の機会にゆっくり触れた方がいいかもね。
正直、とっととこのトラックリストをプレイリストにして一度聴いてみたい衝動に駆られているのだが、それを先にやってしまっていいのかどうか、もう少しだけ考えてみる事にしたい。うぅむ、出来ることなら、初のベスト・アルバムを、最も楽しめる形にして出迎えてあげたいのでね。