無意識日記々

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中国Open2010@蘇州 女子単決勝

  • リ・シャオシェ(中国)4−0 キム・キュンア(韓国)

スコアはストレートだが、いやなかなかに興味をひく一戦だった。序盤からありとあらゆる技術を駆使して守備を披露するキムをリのダイナミックなパワーがどう打ち抜くかという展開、最初の2ゲームは両方ジュースにもつれ込んだとおり、五分五分の内容だったのだが、如何せん興味が如何にリが打ちあぐねるか、という点に絞られどこまでいってもキムに定型的な得点パターンが巡ってこなかった。「ありとあらゆる技術を駆使して」とは、とにかく1点1点その都度工夫と知恵を重ねて得点するしかなかったことの裏返しであり、クレバーなキムはその点自覚的だったとみえ、第1ゲームのジュースを落とした教訓に則って第2ゲームは競り合いになった終盤、立て続けに三球目攻撃に打って出た。然し、本来なら序盤の要となる場面で三球目攻撃をある意味でテストしておく伏線が必要であった筈で、ここのキムによる三球目攻撃は“ぶっつけ本番”であった。もしこの2回の攻撃が決まっていれば(って勝負事にたらればは以下略)この試合の展開は全く違ったものになっていたかもしれない。ここの連続ミスでこの試合における得点パターンの構築に失敗したキムは残り3、4ゲームをリの豪腕に撃ちぬかれて撃沈、結果ストレート負けとなった。リの真っ直ぐな攻撃力は、本来ならキムが得意の心理戦に持ち込んで崩すべきスタイルだと(戦前は)思っていたのだが、現実はキムのフォアハンドドライブ&スマッシュが最後の最後まで精度を欠いたことによる敗戦だった。これをどう解釈すべきかは難しいが、それよりも何よりも中国で開催されたプロツアー大会の決勝に中国人以外として進出し観客と視聴者を盛り上げたキムの頑張りをまず讃えておきたい。優勝できればもっとよかったんだけどねぇ。