無意識日記々

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SPACESHOWER MUSICVIDEO AWARDS

何でもBEST CONCEPTUAL部門と特別賞を獲得したんだとか。めでたい。本来賞の授与は(最近のノーベル平和賞のように)今後の活動に弾みをつける為に行われるものであって、無期限活動休止中の人を表彰するモチベーションは難しい所だが、功労賞的なニュアンスもあったのだろうか。模様を目撃していないから何ともいえないが。その上、有名過ぎる音楽家による初監督作品という希有で異様な立ち位置。また過去のMUSIC VIDEOを前提とした作風をどう評価するかも難しい。その点は宇多田光監督も非常に心得ていて、GBHPVの公開は過去のMV全部と同時同所公開だった。その点も踏まえると、GBHPVを核としたUTUBE全体を指して"Best Conceptual"なのかもしれない。そんな事を考えると、MUSIC VIDEO/Promotion Videoって何なのだろうという疑問が湧いてきてしまう。元々80年代初頭にアメリカでMTVの出現と共に盛り上がった世界であって、その"全国ネットの音楽映像専門チャンネル"という機構
なしには有り得ない手法だった。その為、そんなものを持たなかった日本ではMV/PVというものの立ち位置が今いちハッキリしてこなかった。確定した"居場所"といえたのは、寧ろDVDが普及して以降の初回限定版特典としての位置づけだったろう。光の場合は寧ろMV/PVを単体のDVDシングルで売るなどしてきたが、今回はSC2の付録といういわば市場の王道手法でGBHPVを提供してきた。然しメインは何といってもUTUBEであり、特典DVDを所持している向きもこちらでGBHPVを日頃見る機会の方が多いのではないだろうか。この、アーティストの歴史を網羅したサイト全体と、そのコンセプトを内在したGBHPVを核にするという構造全体でもってプロモーション媒体として完結している訳で、従来の"PV"という概念を大きく超えるものとなっている。再三繰り返すが、アーティストのオフィシャルTube自体は多くはないにしても珍しいものではない。しかし、そのコンセプト自体を一曲に封入して看板とするよ
うな自覚的構築はコンセプトとして独創的過ぎる。選者の本当の意図はわからないが、コンセプチュアルと特別賞という組み合わせは、何から何まで規格外のUTUBE feat. GBHPVに対しては至極相応しいものなのではないだろうか。