無意識日記々

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越えたいのは言葉と国の壁でなく

今までの考え方でいけば日本語歌が世界的に受け入れられる可能性は皆無に近い。上を向いて歩こうがあるじゃないかと言われそうだがあれはスキャットマンジョンみたいなもんだろう。あの曲はいいけれど、な具合の例外である。

昔と今で何か状況が異なる事があるか。思うは、折々触れてきた視覚面の拡大である。歌といえど、目で見る何かを伴う機会が増えた。

最初の革命はMTVだ。ラジオスターの悲劇ではないけれど、音楽をまず全米に、そして全世界に売り込んだいちばんの原動力はMTVに間違いないだろう。そして今はYoutubeである。長らくPCのみだったが、スマートフォンのお陰で手元にも、そして、まだまだこれからだがスマートテレビが成功すればMTV同様音楽がリビングに進出出来る。これと新種のインターネットラジオ…パーソナライズド・ストリーミング等が絡んでくるとぐっと可能性は広がる。

ここ、まだ開拓してないんじゃないか。日本は。長らく、地上波全国ネットでは本人たちが生放送で登場して歌う、というスタイルが確立していた為この国ではプロモーションビデオの入る隙間がなかった。まずCD+DVDでのPVの拡散、そしてYoutubeの登場で漸くPVの機能が認知されてきた、といったところだろう。まだまだ"使える"筈である。


そして、これを利用すれば、或いは国際的な活動も視野に入ってくる、かもしれない。異国の言葉だろうが何だろうが、強烈な映像。それが目に入れば印象には残る。

日本発の強烈な映像といえば…やっぱりゲームかアニメかなぁ…。だから、Passionや光のキンハ映像がオフィシャルであったら…とかBeautiful WorldのフルコーラスとEVA破のコラボレーションがUTUBEにあったらどんな再生回数で、国別分布はどんな風だったか、というのを毎度ながら夢想してしまう。FREEDOM PROJECTが国内外でもっと話題になっていたら、という愚痴も出る。うぅむ。

邦楽Popsは、音楽性が輸入モノである以上に、PVも輸入モノである。時折面白いPVも出てくるが、十中八九音楽と無関係だ。アニメーションなら、基本的に日本人による日本独自のクリエイティブが生きる世界だからここから発信出来る、という事になる。というか、その分野がいちばん可能性がある、というか。


勿論、我々が本当に期待出来るのは宇多田光監督である。GBHPVは、楽曲の位置付け的にいわば"身内ウケ"を狙ったものになっていたが、この集中力が"外へ"と向けられた時にどんなビデオが出来るのかというのが興味深い。本当のオリジナルなクリエイターの手腕が、日本語歌を世界に羽ばたかせる事が出来るか否か。ちょっと考えてみたいテーマである。