無意識日記々

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風向きが気になります

AKB48のCDが更に売れているらしい。元々そんなに興味がないので枚数も、曲名すらわからないが、ひとつ言える事はやっぱりこれだけの"モノ"を売るって素直に凄いなぁ、と思う事と、ネットではあれだけ酷評だらけなのに、何にも関係なかった、という事だ。

どれだけ"宇多田の記録を抜いただなんて認めない"系のツイートをみたことか。いや数字は嘘をつかないだろう。そりゃ中にはひとりで何百何千と買うひともいるだろうけど、どれだけ金持ちだろうが彼らは身銭を切っている。勿論そのお金の正当性?みたいな事に疑義を挟んでもよいけれど、そんな事をしていたらキリがない。兎に角、外野が何だかんだ言っても未だに売上に影響がないのだ。好かれるのは大変だし、好かれれば人もお金もまわり大きなメリットがあるが、嫌われても大した事は起こらない訳だ。流石にこの勢いがあと何年も続くとは思えないが、アイドルグループの人気の寿命なんて昔から儚いものである。AKB48に関しては、今後犯罪にでも関わらない限り秋元康の大成功として語られる事になりそうだ。たとえどれだけ嫌われていようとも。

翻って、宇多田ヒカルは本当に嫌われていない。勿論、好きじゃないという人はやまのように居るけれど、大抵はよく知らず、イメージの断片で何となく、という程度で、蛇蠍の如く嫌っている、という例は(ネットでみる限りは)本当に少ない。国民的に愛され、好かれていると言っていいだろう。お陰で、ファンをやっていても変な空気に出会す事は全くない。誰と話していても、「ああ、宇多田はいい歌を唄うね」と一目置かれたコメントが帰ってくる。これがAKB48だと行く先々で喧嘩になりそうな感じである。少なくとも、音楽的に尊敬されているという事はない。いい曲もあるんだけどねぇ。

さて、どっちがいいんだろう? 秋元康は、彼の手法に対して異論反論が巻き起こる事位はわかっていた筈である。しかしたとえ多数に嫌われようとも、その中で最大限の成果、利益、数字等々を残す事に腐心してきた感がある。そして、これだけ国民的に(といっても特にネットのヘビーユーザーの間で顕著なのだろうが)嫌われていても、売上に何の影響もないどころか話題性を促進して今回更に売上を伸ばした。その商法に関するあなたの批判は、見事にその商法の追い風のひとつになったのだ。

『向かい風がチャンスだよ今飛べ』と唄うヒカルは、寧ろ、そうやって愛される事によって、恐らく売上を減らしてきたのだ。参加券はおろか複数商法もまともに取り組んだ事がない。多少の批判は覚悟で、売上をもっと伸ばしていく事も出来た筈である。しかし、それをして来なかった。その潔い商売態度は、その好印象に深く貢献している。その分、利益は減った筈である。

再度問う。どちらがいいんだろう? 私はここで、だからヒカルは素晴らしい、とは言うつもりがない。人それぞれだなぁ、と思うだけだ。ただ、ヒカルの態度はそれはそれで麗しいと思うからといって、AKB48にネガティブな感情が生まれる訳ではない。こんなエントリーを書いてるけど、結局彼女たちにも記録にも、そんなに興味がないんだろうなぁ。それだけである。