無意識日記々

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透明な軸

セットリストを組んでみて、光とPassionのLIVEでの頼もしさみたいなもんがよくわかった。

勿論、宇多田ヒカルのLIVEといえば初恋でありオートマでありFoLでありPoLでありトラベであり、といった名曲群は欠かせないだろう。先日も書いたように、Popsのコンサートは演奏曲目の選定が重要なので、より有名で待たれている楽曲は常に必要だ。

こういう想定が妥当かはわからないが、もし仮に宇多田ヒカルの事を知らないオーディエンスを相手にLIVEをするとすればどうだろうか。

そうなった時に、初恋やオートマは必ずしも必須という感じはしない。なんというか、全体の構成を考えた時に"かえがきく"のだ。

しかし、光とPassionは同じ位置付けの曲がない。もしこの2曲を抜くのならコンサート全体の構成から考え直さねばならない、そういう意味において、初恋やオートマよりその在不在がコンサートに及ぼす影響がより大きいのだ。

透明な軸。この2曲を配する事で全体の形状を決定する見通しが格段によくなるという意味において、コンサートの脊椎、背骨のような役割を果たしている。

ヒカルの5のオープニングである光と、UTADA UNITED 2006のオープニングであったPassion。奇しくも、というべきなのか両方ともKingdom Heartsの主題歌である。

恐らく、今までの光のキャリアの中で、キンハは最も多数の聴取者を巻き込んだタイアップだったといえる。一旦ダウンロード世界一を記録したFoLも相当なものだが、このゲームは英語版が制作され、Simple And CleanとSanctuaryが世に解き放たれた。LIVE会場に足を運ぶ層との重なり具合は未知数だが、"Utada"の名において最も世界的に有名な楽曲は、First LoveとCome Back To Meという各名義での代名詞的楽曲と共に、この2曲だと思うのだ。

ここに、光の運命の強さを感じる。LIVEで重要な地位を占める2曲が、世界的知名度において真っ先にいちばん有名になったという僥倖。自分(の生活)と関連のあるタイアップしか受けないといっていた光が、あまりやりそうにないタイプのゲームKingdom Heartsに楽曲を提供したのはちょっと不思議だったが、こういう事なら合点がいく。もしUTUBEに"Simple And Clean"と"Sanctuary"のPVが置いてあったらどれ位のヒット数か、みてみたかったな。

日本語版と英語版両方がある事で、この2曲は今後光がどこでLIVEをやろうが演奏する事ができる。つくづく、運命は光と共にあると強く感じる次第だ。