無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

ARCH ENEMY 「WAGES OF SIN」 (2001)

ウェイジズ・オブ・シン

ウェイジズ・オブ・シン

このバンドの「ホップ・ステップ・ジャンプ」の「ジャンプ」にあたる作品。2001年発表の4thアルバム。なんといっても、80年代的な吐き捨てボーカルだった前任者のヨハン・リーヴァに変わって“Diva Satanica”アンジェラ・ゴソウがヴォーカルとして加入したのが大きい。10代からデスメタルを聴いて育ったというだけあって、いやもうその咆哮たるや超一流。一気にバンドのサウンドデスメタルらしくスケールアップさせた。しかし、彼女が最も凄まじかったのはそのライヴ・パフォーマンスで、フロント(ウー)マンとしての存在感はブルース・ディッキンソン以来の逸材といえる。20年に1人っていうか。彼女の魅力がいきなり炸裂する超名曲“The Enemy Within”から始まるこのアルバムはこれまでで最も伝統的なヘヴィ・メタルの様式美を踏襲した作品で、その1曲目に加えて6曲目の“Dead Bury Their Dead”に8曲目“The First Deadly Sin”と本格派デスラッシュチューンを主軸に、デス声でなくてもいいじゃないって気がするキャッチーな“Ravenous”、“Web Of Lies”、“Shadows And The Dust”、実は最も音楽的にはデスメタルらしい重厚な“Heart Of Darkness”、“Savege Messiah”、“Behind The Smile”といった幅広い楽曲を収録、インストの“Snow Bound”も合わせてこれまでで最も総合的な魅力を放つアルバムとなった。当時の担当の(今もか)宮本さんが一番お気に入りだというギターソロをフィーチャした曲は2曲目の“Burning Angel”で、これはライヴの定番曲だな。ギターの入りがMegadethの“Hanger18”を思い起こさせるのはご愛嬌。このアルバムで、B!誌の年間人気投票においてベスト・グループ、ベスト・ヴォーカル、ベスト・アルバム、シャイニング・スター、ベスト・ドラマーの計5部門でチャンピオンを獲得、、、ってあれ、いちばん肝心のギタリスト部門は1位じゃなかったんだっけ。バンドのブレインなのになぁ。ということで、21世紀のメタル最初の歴史的名盤といえるでせう。記念碑的作品。(88点)