無意識日記々

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扁桃左部に問う

UtaDAの事で未だに心に残っているのは、This Is The Oneの発売週に光が倒れた事である。体調不良と一言で片付けてよかったのかどうか。そこまで気が付かなかったのはどうなのか。疾患の性質による話だから何とも言えないのだけれど、どうにも妙な違和感を私に残したままなのである。

DEEP RIVERの時は、比較論でしかないものの、まだわかる展開だった。レコーディング中の手術、掛かる体への負担、なんとか完成までは漕ぎ着けたがそこで力尽き、、、という感じだろうか。勿論薬の副作用もあっただろうが、ここは発売延期になりそうな所を光が驚異的な精神力で乗り切った、でなければ普通は制作中止・延期だったろうという事だ。

TiTOの時は違う。確かに、事前から予想されていたように、光にとってはスタジオでの制作よりも各地を文字通り飛び回るプロモーション活動の方がよりストレスにはなっただろう。更に、その時には3月発売の点と線の編集長まで務めていた。上に次の日本語曲の準備まで進めていたのだから、いつ倒れてもおかしくなかったのだ。

ひとつ考えられる解釈は、光の精神力がDEEP RIVERの時より図抜けて成長してしまった、という事だ。こういう話を精神論で語るのはよくないけれど、あの時プロモーション活動を途中で断念したのが余程悔しかったのだろう、実は本来なら制作終わりで何週間、何ヶ月という休養が必要な身体だったのにそこから更に4ヶ月フル稼働してしまった、出来てしまったという。DEEP RIVERの時はそれが2週間だったと。手術や投薬の有無の違いは大きいが、それでもこの差は大きい。

ただ、その力尽きるタイミングが、全米でのリリースタイミングのまさにその時だったというのが。身体は待ってくれない、とはいっても、寧ろ既に体力的には限界を超えていていつ倒れてもおかしくない状態だった、と仮に想像するならば、光に「もうダメだ」と(うわぁ、言わなそうなセリフ)思わせた要因は何かあったのか、あったとしてそれは何だったのか。病名が何であれ、診察を受けるからには先に体調不良を感じて医者に詣でなければいけない訳で、それは周りが気が付いたのか本人が自覚したのか、当時の発言を浚えば何かわかるかもしれないが兎に角その"妙なタイミング"に、どうにも(未だに)合点がいなかいのである。

「いずれにせよUtaDAは全米で大成功する運命にはなかったのだ」と運命論で片付けるのは容易い。容って漢字は"た"と読むのだろうか。しかし、運命で語るなら何も語る事はない。釈然としない気持ちを抱えたまま、契約は終了してしまった。いつか、光が2009年の頃を振り返る機会があるのだろうか。いちどじっくりきいてみたいものである。