無意識日記々

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とくりゃ次は当然虹色バスの話さ

イントロからアナログ・レコードのスクラッチ・ノイズがフィーチャされている事からもわかる通り、この曲の基調は"レトロ"である。初登場時からモダンさは全く期待されていない。裏を返せば、最初っから"クラシックス"として誕生した楽曲だといえる。

NHKみんなのうた」で、ぼくはくまに次いで流れるとするなら虹色バスがいい、と多くの人が思っているのではないか。こどもにも親しみやすいシンプルなリズムとそれに素直に乗ったメリハリのあるメロディー。音楽的にもその資格は十分だが、何より曲調と歌詞の組み合わせが、人に"映像"を思い浮かべさせ易いところがみんなのうた向けだ。

みんなのうたといえば、歌が勿論主役だが、それと同時に曲に合わせて作られたアニメーションが印象に残るという側面が強い。虹色バスには、ファンシーなアニメに向いた描写が次々と出てくる。翌日の遠足に興奮して眠れない描写でもいいし、満員電車で通勤通学でもいい。いずれも、他のヒカルの曲では合わなそうなコミカルなタッチのアニメーションを宛てやすい所が違う。みんなのうたの枠に入るには、ファンタジックだったりメルヘンだったりする方がいい。ホラーでも昔話でもいいが、一言でいえば伝統的に"絵本の世界"を匂わせる世界観が麗しい。(それだけにとどまらないのがあの枠の面白さだけどまぁそれはさておき)

その点、"虹色"というキーワードはバッチリ嵌るとしか言いようがない。カラフルかつドリーミィという要素を"虹"の一字で表現している。この曲は生まれついてのクラシックスなのだから、発表時期なぞ関係なく、関係者はいつでもやる気を出してぼくはくまに次ぐ第2弾として採用して欲しい。

そうなった時にアニメーターにとって腕の見せ所は楽曲後半の展開だろう。前半はオーセンティックな路線でいけばいいが、『をおぉ、ああぁ』のコーラスがエフェクトを掛けながらブーメランしてくるブレイク部分以降をどう映像化するかがポイントだ。何しろ『誰もいない世界へ私を連れて行って』と『Everybody feels the same』 である。アニメーションは、どうやって"誰も居ない世界"を描写するのか。とる手法によってはこどもたちにトラウマを植え付ける事確実な一節となり得る。例えば宮沢賢治銀河鉄道の夜のような描写か? 或いは旧劇EVAのような? いずれにせよここの面白さが期待できるからこそ虹色バスをみんなのうたに推したい訳である。どうですか関係者の皆さん。いつでもいいですよ。

尤も、あの5分の枠ではたとえ1曲で独占できたとしても5分50秒の虹色バスはエンディングまでフルコーラスでかけらんないんだけどね。ぼくはくまがちょうど2分半なのは、それだと5分で2曲かけられるからなんだなぁ。