無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

dreaming in your milky way

苺みるく2人の親友っぷり満開で曲が続いていくMaking Loveだが、最後のパートだけは若干毛色が違う。

『私を慈しむように
 遠い過去の夏の日の
 ピアノがまだ鳴ってるのに
 もう起きなきゃ』

なんだか、何の話をしているのかさっぱりわからないが情景だけは明白に伝わってくる奇妙な、しかし詩的な表現である。

最後に『もう起きなきゃ』と言われた時には「それやったら今まで寝てたんかい!」と突っ込んだものだが、なるほど、ちゃんとその前に『長い長い夢の途中 singing loud』と言っている。ヒカルの曲には眠りに関する曲が多いが、この曲もそのうちのひとつなのだ。

アウトロが「ジーッ」という効果音でカットアウトされる所も印象深い。ここは素直に考えて、『もう起きなきゃ』の直後なのだから覚醒の合図だと解釈するのが妥当だろう。映画のフィルムが巻き上がった瞬間のようにも捉えられる。となれば、この曲は何故か最後の最後に"夢から醒める"のだ。苺みるくの絆は相変わらず揺るぎないにも拘わらず。

先程引用した箇所、『長い長い夢の途中 singing loud』だが、つまり、夢の途中に大声で歌っているのだ。歌詞カードでは崩して書かれている為裏の意味を勘ぐってしまいそうだけれど、そのまま受け取れば、ヒカルは歌手としての活動を"夢の途中"と考えているのだろうか?

この解釈はなかなか成り立たない。夢のある活動ですねと言われてわざわざ『これが私にとっての現実』と答えた人がそんな表現を用いるだろうか。また、それなら『もう起きなきゃ』は「歌手活動を辞めなきゃ」と読めるようになってしまう。それはどうやら違いそうだ。

ただまぁ、時期というのもあるかもしれない。歌詞の途中に『だってそんなの疲れちゃうよ』『少し疲れて私たち』と2回"疲れ"という単語が出てくる。一度だけなら兎も角二度出てくる(それも異なるメロディーに)からには書き手が当時疲れていたんじゃないかと推測したくもなる。

ところで、"疲れ"という歌詞が出てくる歌がもう一つあった。DISTANCEである。その話の続きはまた次回。