無意識日記々

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私が飲み屋でヒカルを語るとコンナ感じ

ヒカルは作詞家でもあるからか、一曲まるまる美旋律という楽曲が非常に少ない。詞の構成を考えると仕方のない事かもしれないが、サビ(Chorus)に較べてAメロBメロ(verse/bridge)がどうしても弱くなる。先日のGoodbye Happinessもそうだし、私が再三再四絶賛しているCan't Wait 'Til ChristmasもAメロが弱い。あそこがサビ並みに強いメロディーであったなら紛れもなく最高傑作になっていただろう。

日本の商業音楽を沢山聴いて育ってくるとどうしてもABC構成(AメロBメロ〜Chorus)が習慣づいてしまって、「そういう抑揚や押し引きがあるからいいんだ」なんて風に弁護するまでになってしまうが、控えめでありながら恐ろしく美しいメロディーだって存在する。そういうのと派手且つ美しいメロディーを組み合わせて曲を作れば抑揚や押し引きやメリハリがありながら楽曲全編美旋律で埋め尽くす事が出来る。要は才能とやる気の問題なのだ。

ヒカルの曲の中で楽曲中の旋律のテンションが最も安定している楽曲は、前も述べたようにぼくはくまである。次点はtravelingあたりだろうか。First LoveやEternallyはBメロがなかなかに美しいのだがAメロが若干弱い。逆にAutomaticはAメロの強さの割にサビが弱いのかもしれない。今迄そんな風に考えた事がなかったけども。

全編美旋律、という点では私は"光"を推したい。特にAメロの吸い込まれるような美しさはUtada等も含めた全レパートリー中随一か。更にサビの畳み掛けの贅沢さは筆舌に尽くし難い。未だに「宇多田ヒカルでいちばん好きな曲は?」という質問に対していちいち考えるのが面倒だから"光"と答えるようにしているのだが、やはりこれがいちばんでも全然構わないと思う。多分この曲で評価が分かれるのがBメロで、あの美しいAメロとサビメロに取り囲まれたらああせざるを得ないし、実際知的なソリューションだと思うのだが絶対的という所までは行っていない、かな。

美旋律々々々と頻りに書いているが、ヒカルが自ら書いた曲に対して「いままででいちばん美しい」という風に形容した事がある曲といえばFINAL DISTANCEだがこの曲の場合ピアノストリングスコーラスワークの三位一体の美しさだから単純な美旋律というのとはちょっと違う。歌だけだったら基本的にDISTANCEとほぼ同じラインだし…


…っていう風な流れであれやこれやの曲について語り始めると際限がなさそうだなこりゃ。ここで一応「この後、続かない」って断っときますね(^^;