無意識日記々

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事例の数些少でも言える事はある

先週土曜日のオフ会に出た話を備忘録的にメモ。今回、参加者のうち二割が初めての人だったのだが、一人も"Flavor Of Life"でファンになった、という人が居なかった。これは、結構な確率である。

FoLは宇多田ヒカル最大のヒット曲である。アルバムは物凄い数を売っているが、シングルCDはAutomaticの二百数十万枚が最高で、これも8cmと12cmの合算だ。如何に複数の着うたの合算とはいえ、800万ダウンロードのインパクトはデカい。本来なら、若いファンの殆どはこの曲から宇多田に入ったと答えるように思いがちである。

しかし、今回初めて会った人たちの一番人気はキングダムハーツ関連、つまり光とPassionだった。まぁこういう場合、サンプルが少ないので出てきた事例について何かを語るのは難しい。しかし、"ひとつも出てこなかった"という事例はサンプルが非常に少なくても意味をもつ。FoLの名前が殆ど出てこなかったのは注目していい。

単純な帰結として、オフ会に顔を出してみようという人は相当に熱心なファンなので、FoLはそういう人たちを掘り起こしたタイプの曲ではない、と言えるのではないか。薄く広く宇多田ヒカルの名前を世に示したが、ではずっと応援していく気になったかというと、実はそんなでもなかった、という。結構安直だが当たっていると思う。

例えばPassionの売上は、ひょっとしたらFoLの100分の1とか、そんなんである。それは少しオーバーにしても、消費税が変動しただけで消し飛ぶような数字である事は間違いない。しかし、この曲で"ヒカルの虜にした数"は相当のものになっているのだろう。ゲームという媒体の力は大きいが、それと共に、楽曲の性質がそれをさせていると考えるべきか。

両輪が必要なのだ。たまにはFoLのような"誰でも知っている歌"をリリースして、社会的な認知度を上げておく。その中で、様々な"挑戦的な"曲を発表していく。熱心についてくるのは、そういったコアな楽曲に魅了された人間だ。そのバランスが保てるのなら、ヒカルのファンは少しずつ増えていくだろう。数としては地道なもんだが(年に数百人単位かな)、積年すれば風景も変わる。FoLからちょうど7年、そろそろそういった"大ヒット曲"があったらいいなな間隔が空いてきているが…さてさて、どうなりますことやらですわな。