無意識日記々

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クマパワーは泡なのか??

前回の内容は「それで一冊本書けるやん」という程多岐に渡っていたのでしっちゃかめっちゃかになってしまった。もう少し話を絞ろう。

ヒカルのファンは、マスメディアを通して掘り起こされてきた層である。昔はテレビに一切出ないミュージシャンなんかも居て、それでもレコードは売れ動員は堅調だった。全国網の宣伝システムへの依存が低い為足腰が強い印象だ。マスメディアは流行の反映である為、なかなかコアなファンはつきにくい。そこらへんは皆さんもご存知だろう。たとえ700万枚以上を15年前に売っていたとしてもBoxセットは1.5万枚売れないのだ。

ポイントは、そのまま15年来た、という点だ。ファンクラブを作らず、信者的な奉仕に頼る事なく今までやってこれた。複数枚商法も握手券とも無縁のまま。やっとSCv2でコンサート優先予約シリアルが同封されたくらいだろう。

先日の金爆無特典実験は興味深かった。CDのみの商品がどこまで売れるかという試み。特に、企画倒れに終わったようだが、「特典のみ無音CD」のアイデアは悪くない。私なら「これはジョン・ケージの"4:33"のカバーだから」と言い張って企画を通したかもしれない。無特典CDと特典付無音CDの同時発売でどちらが売れるか。実施されていたら議論を呼んでいた事だろう。

ここで考えなくてはいけないのは、無特典CDを買ったのは誰か、買わなかったのは誰かという点だ。前2枚のシングルが10万枚超えで今回は4万程度という事なのだが、熱心なファンは特典があろうがなかろうが取り敢えず買うだろう。元々特典の有無と関係なく、曲を気に入って買う人は今回も買うだろう。では一体、特典目当てで買っていた人って誰…? どれくらいダウンロードに流れたのか、という検証によってこの疑問の行く先は変わるが、「CDを買う」という行為には様々な人々が関わっているという事だ。

ヒカルが15年かけて耕してきたファンは、一体どんなの? 特に、コンサートの人気が高いのは、一言で言えば観た事を人に自慢が出来るからだ。つまり、テレビに出ている(出ていた)超有名人だから観れたらラッキー、という話。ここを支えているのは即ち、まずテレビ、次にラジオなのだろう。

CDが売れなくなったのは、TVを観る層がCDを買う習慣を失ったから、と言い換える事が出来るかもしれない。ダウンロードが伸びているという話もきかない。このままだと、マスメディアに依拠して耕されてきた宇多田ヒカルファンは、少なくとも商業的には衰退の道を歩む事になる。なんだろう、ものすごく巨大なあぶくを相手にしているような感覚だ。

あぶくならあぶくを次々継ぎ足していくのが常道なのだがヒカルはそんなにテレビに出ない。回数は少ないのに影響力が大きいのは過去の視聴率の高さが大きかったのだが今後そういう事は起こりそうもない。番組ももう殆ど残ってないし。さてどうしたものかとなりつつ次回へ続く。