無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

10th Anniversary of 『This Is The One』

おっと、前回の続きの前に。今日は『This Is The One』日本盤発売10周年記念日だったな。

どうにも、日付の印象が薄い。理由はシンプルで、当時米国主導でプロモーションが為されている中での日本先行発売。一方本陣と目されていた米国での発売日はデジタルが3月24日、フィジカルが5月12日だった。単純に“記念日”が分散して存在しているからどれが発売日だったのかという認識があやふやになっている、という訳なのだ。その上、日本盤発売も当初は3月11日水曜日だったのが3月14日土曜日発売に変更になったりもした。10年も前の話だが、未だに何故土曜日発売だったのかはわからない。その上宇多田ヒカル名義の書籍『点』と『線』がこの5日後、3月19日の木曜日に発売された。全く以て忙しい時期で、どの日が何の日だったか未だに混乱している感じなのだ。

アルバム制作と書籍制作を同時並行し終わるや否や時差の大きい全米中を移動してプロモーションに明け暮れるなど、今から考えれば倒れても全く不思議ではない状況の中で『This Is The One』はリリースされた。実際、5月の全米発売週にヒカルは突っ伏していたのだが、そういう意味では2ヶ月早かった日本は幸運だったのかもしれない。ヒカルの体調を心配するのももっともだが、頑張ってくれた成果はきっちり享受しないとね。

ヒカルの海外での活動が日本で記事になる度に無視される不憫なアルバムだが勿論全米で最も成功したアルバムである。『Fantome』や『初恋』がワールドミュージックとしてチャートインしようが多分売上は一桁違う。キンハ関連曲と共に『Come Back To Me』がなかったらここまで全米でポジションを築くことはなかった。当時はニューヨークのインストアイベントに数千人が駆け付けたという話だしな。誰が数えたか知らないが。

今や配信チャートでなら『This Is The One』をも上回る成績を残せるようになってきたが、歌手としてのキャリアかといわれればよくわからない。音楽的にもいつかここに置きっぱなしのバトンを拾う日が来るのか。ゆっくり待ちながらこの40分足らずの短いアルバムを堪能しておくとしましょうか。