無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

Face The FEAR INOCULUM from TOOL

先週発売になったTOOL(トゥール)13年ぶりのニューアルバム「FEAR INOCULUM(フィア・イノキュラム)」が凄い。レビューが絶賛ばかりだったので「てめーらTOOLのネームバリューに怖じ気づいてんじゃねーよ」とか思いながらプレイボタンを押したのだが一瞬で敗北だった。2020年のベストアルバムはこれで決まりだろう。激しく聴き手を選ぶ作品だが俺は幸いにも選ばれた。

で。このアルバムのフィジカルの仕様が凄い。タワレコの紹介文をコピペしよう。

https://tower.jp/item/4948177/Fear-Inoculum

── 初回のみの完全生産限定盤としてリリースされる特殊パッケージには、CDに加えて、4インチ・サイズのHDスクリーン(液晶スクリーン)付きの動画プレーヤーが搭載されており、ここでしか見られない限定映像が収録されている。充電ケーブル、2ワット・スピーカー、36ページのブックレットも付いており、これまでも数々の奇抜なパッケージをリリースしてきたトゥールだが、前作『10,000デイズ』のメガネ付パッケージ(2007年度グラミー賞「ベスト・レコーディング・パッケージ」受賞)のさらに上をいく、前代未聞の驚愕仕様だけに、大きな話題を呼ぶことは間違いないであろう。

…なにやっとんねんというやつだわ。CD買ったら4インチのHD動画プレイヤーがついてくるんだと。思い切るとかいうレベルではない。そもそもその発想が無かったわ。内容に続きパッケージでも完敗した。

これなんだよね。アイデア次第。凝り固まった考え方を破壊する圧倒的な知恵。そしてそれを実現してしまう力。トップ・アーティストとしての矜恃と言っていいのかはわからないが、やるべきでやれるならやるのだと。

我々もDVDとBlurayに写真集がついた位で喜んでる場合ではなかったのだ(いや勿論嬉しかったけどね)。3DVRのシステムパッケージごと売れとか言うだけでも言えばよかった。勿論とんでもない値段になるだろうが(なお上記のTOOLのCDは11005円なんだそうな)、大事なのはまず、実現不可能だろうがなんだろうがアイデアを出してしまうことである。最初っから検討せずに黙ってしまうと何も起こらない。「あはは、何言ってんだできるわけないだろそんなこと(笑)」と1000回笑ってるうちの1回くらいは何か実現可能なものが含まれてくるかもしれないのだ。口に出してから検討すればいい。うちに秘めているだけでは何も始まらない。

前回サブスクがメインになったらデジタル・プロモーションはどうなるかという切り口で話を進めようかなとか言っていたが、もっと視野を広げねばならないなと気づかされた。勿論デジタル・プロモーションも含めつつ、宇多田ヒカルの真の(及び偽の)魅力をどう伝えていけばいいかという原点に立ち返って物事を捉え直さないといけない。音楽の魅力を伝えるためのツール(Tool!)は音楽だけに留まらない。その点をよく踏まえて今後は考えていきたいですよ。