無意識日記々

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A&Rのウデの差

マツコの知らない世界」の見逃し配信を観たぞ。テレビ番組ってこんなに長かったっけ。なんだか懐かしい気分になってしまったよ。それはさておき。

えぇっと、つまりマニアさんがいらしてマニアなプレゼンをするのをマツコがゴールデンタイムに耐え得る味付けに変える番組、でいいのかな? だとしたらヒカルは何しにくるんだろね。プレゼンする方なのかされる方なのか。される方だとアメトークみたいになるんかな。ま、楽しみにしておきますですよっと。

その前に27日には井上陽水の特集番組にちらっとコメント出演するのだよね。来日してこなした仕事は2件だけなのかっていうのは気になる所ではありますが。なんか受賞するとかないのかなー。んでも今年大して活動してないよね。

今まで、『Fantome』や『初恋』や『Face My Fears』がiTunesUSAや米ビルボードにチャートインしたニュースって結構取り上げられてきたけど、冷静にその影響力というか実際のリスナー数を考えた時に、そういった作品群が出した数字の価値って『Come Back To Me』のオンエア回数や『This Is The One』のチャートアクション(2009年3月と5月)を上回ってるとは思えない。なのにきっと世間ではちょっとばかし「復活した後の宇多田って海外でも売れてるんでしょ。流石だねぇ。」みたいな事を言われている気がする。

結局、梶さんのメディア戦略があるかないかに尽きるんだろな。Utada時代のA&RとEMI〜ユニバーサル〜EPIC SONY期の梶望ではウデが違い過ぎたという事だろう。どうやって誇大にならずに最大限数字の価値を喧伝するか、彼の場合嫌味にならないギリギリを狙っているように思う。「CD出荷と配信合わせてミリオン突破」とかね。ギリギリセーフかアウトかは結構人によって別れるとは思うが、今のところ宇多田ヒカルのブランドイメージを傷つけるような誇大広告宣伝を打ったことはないと思う。

でもいちばん強烈だったのは『Fabtome』の「通常盤仕様1形態」で、それは宣伝の為というよりは、クォリティーに対する自信と気概と矜恃の表現だったように思われる。結果的に、かもしれないが、ブランドイメージ戦略としては最上級のものだったのではないだろうか。「肉を切らして骨を断つ」ではないけれど、目先の収益を犠牲にしてまで宇多田ヒカルが「アーティストとして音楽のみで勝負できる存在であること」を市場に知らしめたのは、犠牲にした収益を上回る成果を上げた&これから上げるのではないだろうか。それを考えると、このキャッチフレーズを敢行した現行のA&R陣─いまでも梶さんがトップだが─の有能さに改めて感服する次第なのですよ。

……ならなぜそのノウハウの千分の一でもなりくんに活かせないのか……という話は愚痴になるのでしない。来週にも持ち越さないぜ。もう今愚痴ったようなもんだしね。

ということなので、この年末年始のヒカルの露出もそのうちどんな効果を狙ったものだったかが次第に明らかになってくるだろう。番組自体を楽しむのは勿論、番組出演の影響について見ていくのも楽しめる事なのですぞ。