まずは『ずっと』な曲の追加。
『青い空をずっと手探り』/SAKURAドロップス
『こっちへおいで ずっと一人で』/Celebrate
『ずっとBonnie & Clydeみたいに』/B&C
『私たちはずっと』/幸せになろう
『ずっと待っていたの』/テイク5
まだあるかな? とりあえずこれくらいで。
で、その『ずっと』だが、まず注目したいのは以下の二曲だ。
『ずっと二人で』/光
『ずっと前に好きだった人』/Passion (single version)
『光』と『Passion』。いわずもがな「キングダムハーツ・シリーズ」の主題歌第一弾第二弾で、幾つか共通点がある。そのひとつに、それぞれに英語バージョンが存在するという点があるよね。そして、ご覧になればわかる通り、上で引用した歌詞の部分、『ずっと二人で』/光 と『ずっと前に好きだった人』/Passion (single version) は、何れも各々の英語バージョン『Simple And Clean』と『Sanctuary』では使われていないメロディの上に「ずっと」が乗っているのだ。
これは偶然ではないと思う。ヒカルは、「ずっと」という日本語の単語の語感は英語にない独自のものだと捉えているのではないだろうか。
確かに、英語で“Zutto”に近い発音の単語ってなかなか思い当たらないのよ。今、永井真理子を思い出した人は確実に40代以上だよね。それはさておき。
“that”はカタカナにすると「ザット」なので「ずっと」と近そうに見えるが「ト」をハッキリ発音する訳ではないのでそのまま代替にはなり得ない。敢えて近いといえば“ghetto”とかそういうあんまり純英語ではなさそうな単語になってきそう。
そもそも“z”で始まる単語も少ないしね。“zoo”とか?“Xerox”とか?? ドイツ語みたいにSをzで発音したりしないしね。
勿論、別に日本語の歌を英語にするときに母音や子音を合わせなきゃいけない訳じゃない。『誓い』の『ない』は『Don't Think Twice』じゃ『baby,』だった訳だし。しかし、「ずっと」の響きに頼るメロディの運びの場合は違和感が出るのじゃないだろうか。故に『Simple And Clean』では代わりに『嘘みたいな I Love You』の出だしが使われたのだ。あクマで出だしのみなのは、『嘘みたいな I Love You』でもサビの後半に『聴いていたいよ ずっとずっと』って歌詞が出てきちゃうからだろうし。ここもきっと、英語で代替が難しいのだ。
という感じで「ずっと」はヒカルが持ち込みたいある種のメロディを日本語曲限定で採用可能にする魔法の単語なのだと思う。故に日本語曲では嬉しがって沢山使っているんじゃないかな。
勿論、歌詞にはストーリーがあるのだから「ずっと」の意味するところも魅力的だった筈。そこらへんの話は今後のお楽しみということで。