無意識日記々

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“大盤”振る舞いの今昔

あぁそうか、『Face My Fears』のアナログ盤が出てもう1年経つのねぇ。早いとか遅いとかもうわかんねぇわ。

何枚売れてるかは知らないけれど、流石にCDより上ってこたあるまい。CD初週1万枚台だったから4桁だろうな。3桁かもしれんが。

昨年は『Laughter In The Dark Tour 2018』映像商品を(ほぼ)アナログサイズで制作するなど、マニアに対する豪華賞品の売り方を絞り込んできた感がある。そもそも恭しく敬うように音楽を購入した体験を持ってる人間が40代50代以上なので、彼ら(というか俺らか)に響く作品を提示するのが重要だ。これから入ってくる人には全曲サブスクがあるのでそもそも購入行動自体が、無い。

この間タイムラインに「カセットテープ」なるものの写真が流れてきてノスタルジーに浸ってしまった。アナログレコードの仰々しさも思い出深いが、セル・カセットテープのなんとも言えないかわいらしさもまた思い出の中でキラキラ輝いている。ウォークマンがカセットだった時代を知っているというのも大きい。アナログとは正反対の、手軽で身近な感覚だった。曲の頭出しは難しかったけどな!

ヒカルについては、正規商品でカセットテープはなかったかしらん。プロモーショナル・オンリーだけだよね、多分。なのでノスタルジーも何も無いのだけれど、今後、単独では無理でもボックスセットのおまけのひとつとして入れるとかならアリかもわからない。いやまぁ、今カセットテープの再生機器を持ってる人どれくらい居るんですかねって話ですが……うちのはまだ動いてるけれども……。とまれ、そんな企画があったとしても悪ノリというかついでというか、マニア心をくすぐる為だけに作るようなものかな。だったらDATやDCCやMDもだな……っ!(うるさい)。

サブスク世代にとっては音楽は検索して聴くものなので、そもそも「物に宿る」という感覚自体がわからないかもね。「〇〇の新曲を手に入れた!」の“手に入れた”の部分がピンと来ないというか。うちら壮年世代には棚に並べてるだけで嬉しい、ジャケットを飾っておくだけで嬉しい、ポケットに入っているだけで嬉しい、みたいな楽しみ方があったのですよ。音をひとつも鳴らさずに。

それがアーティストへの愛着や執着を生んでいたのなら、これからの音楽消費活動は特定のアーティストへの依存度を下げる方向にはたらくのだろうか。とするとアナログ盤のリリースのような企画も、今だけというとオーバーだけれど期間限定的な性質になるのかも。今の時期の音源だけ飾りが豪華になるとすれば……と思ったけど初期アルバム三枚はアナログ出てるし、Utadaも『エキソドス』からのシングル二枚はアナログ出てるんだったな。結構あるか。

あれだ、また「フォトブックつき」の商品がリリースされれば、大判の商品の出る幕も途切れないだろう。こちらは世代関係ないかもだね。あたしはKindleで出して欲しいと思っているけど(笑)、そっちに望みを託していった方がいいのかもしれないな。