無意識日記々

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Time [Yuta Bandoh Rework]

1日遅れで「美食探偵 明智五郎」第8話を観ましたよっと。自分が読んだコミックス第6巻までにはない要素が増えているのでテレビドラマオリジナル展開ってことでいいのかな。特に終盤の造りが雑だったけれど、感染症禍の中の制作では同情を禁じ得ないわ。時間の無い中で制約に雁字搦めにされながら収録と演出と編集をしたんだからねぇ。もっと辛口を言ってもいいとこだけど、まぁ、今まできっちり時間をかけて編集してきたんだなということが再確認出来たと言っておきましょうか。オンエアに漕ぎ着けた事自体が喝采ものなのです。

一方で『Time』に目を向けると、エンディングに向かってインスト・バージョンからオリジナル・バージョンに連続させて掛けてもらえる椀飯振る舞いぶり。美味しい所を鱈腹持っていかせてもらってました。美食なだけに。

いやはや、こんな手を使ってきてくれるとはね。連続演奏ですか。その発想はなかったわ。このアイデアには拍手です。最終回に向けて、特に効果的だったと思います。これで当初の想定通り(?)、次回の最後の最後で『返らない 返らない』の次の歌詞が流れる期待が高まりましたよっと。

今回のインスト・バージョンは「美食探偵 明智五郎」のサントラに収録されているバージョンで、ダウンロード販売もストリーミング配信もあるので一度聴いてみると宜しいかと。あたしの世代の言葉で言えば「ミニマル風アレンジ」ってヤツで(サティ〜ケージ〜ライヒ久石譲みたいな路線ね)、坂東さんは一通り学んでいるのだろうけど、彼自身は何を源泉にこういうアレンジを思いついたんだろうねぇ。博識そう。イントロでアナログ時計のクリック音を使ってるからややレトロを狙ったのだろうかな。

ああやってリズムを変えてくれると、元々の『Time』のメロディのニュアンスでリズムに依拠してる部分が何処なのかがわかりやすく呈示されるから面白い。当然、翻って、リズムに依拠しないメロディ独特の風味も浮き彫りになるから、他者にリアレンジして貰うのは楽しいぜ。

どうせなら、配信シングル限定とはいえ、ヒカルの『Time』とカップリングでリリースすればよかったのにねぇ。或いは、スプリット・シングルってやつか。共同名義の。最近のシングルは昔楽しませてもらってたリミックス・バージョンやカラオケ・バージョンがないのが不満と言えば不満なのだが、公式からこのようなリリースがあるのは大歓迎。だがこうやってサントラの片隅に収録されるだけではなかなか注目を浴びれない。“レコード会社が別”という大きな難関もあるにはあるんだけど、そこらへん柔軟に対応した方がお互いの為になるんじゃないですかね。色々と「そうも言っていられない状況」になっていくんだろうし音楽業界も。いや特に意味深じゃなく、売れるものは売りましょうよってだけなんだけどね。ご検討を宜しくお願いしたい所でございます。