無意識日記々

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シンエヴァシンクロクレヤボヤンスでやんす(錯乱中)

「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」の新たな予告編動画が公開になってしまった。『One Last Kiss』をフィーチャーして! 90秒足らずの動画、ひたすらエヴァンゲリオンの映像と宇多田ヒカルの声である。YouTubeで「急上昇ランキング#1」だそうな。一日で100万回再生は確実だろう。

ということで無意識日記では『One Last Kiss』の話をとっとと始めてしまうから、まだ聞きたくないという人は今すぐ急いでブラウザを閉じるんだ。いいですか。

ふむ。まさかクリスマスにこんなことをしてくるだなんて夢にも思わず。今回何度も驚かされっぱなしだよ。なんてこったい。おっとろしいクリスマス・プレゼントになったな。

『One Last Kiss』は16ビートの混合拍子、つまり『道』と同じリズムの楽曲で、ややアップテンポで強いビートながら隙間の多いアレンジは『Time』と似ている。つまり如何にも最近のヒカルが書きそうな楽曲だ。毎度ながら歌詞の乗せ方はトリッキーだがメロディー自体は耳馴染みのいいもので、「待ってました」と膝を叩いた人も多かろう。まだ一部分だけではあるものの、基本路線はつまり『Beautiful World』へのオマージュを含ませながら、“今”の宇多田ヒカルで押し切った感じだな。同じ混合拍子のリズムといっても、『One Last Kiss』と『道』は333322で『Beautiful World』は332332だが…ってそんな細かい話はまだいいか。

ビックリしたのは映像とのシンクロ率の高さだ。これを作曲した人は完全に千里眼だとしか思えない。なぜそんな細かいニュアンスがシンクロするのか。確かに、いにしえの「残酷な天使のテーゼ」よりこちら、音楽のリズムに合わせたカット割りはエヴァスタッフの大得意とする所だが、映像と音楽が呼吸を合わせて「洗練された小洒落センス」と「ヲタクの怨念」の両方を同時に感じさせてくるのが、もうなんというか、「結婚しろ」というレベルで合っている。このコラボレーションが大正解だったのだと13年かけて再確認した次第だわ。なんだろう、新曲に対する期待より、映画とのコラボレーションへの期待の方が現時点で上回ってしまうという、自分自身全く予想していなかったフェイズに入ってしまった。これはヤバい。

しかし、色々謎めいているな。なぜ80秒も音源をフィーチャーしていながら低ビットレートでモノラルなのか。どうして予告編で切り取った歌詞がここなのか。Louvreのくだりは、シンエヴァの最初の上映(&場面)がパリだった事を即座に思い起こさせるけども。

サウンドも、なんだろう、引き算で出来た感触が消えなくてな。いや確かに『Time』と同じ発想なんだろうなとは思うものの、今日はヒカルがツイートで『Addicted To You』の"UP-IN-HEAVEN MIX"と"UNDERWATER MIX"の話をしているし、この予告編の『One Last Kiss』ってひょっとしてリミックスの方なんじゃねーの?とか勘繰ってしまう。2004年に先に『Devil Inside』のリミックスを聴いてしまい期待外れを感じていた所にオリジナルを投下されてその素晴らしさに愕然とさせられた恨み(?)が私は未だに消えていないものでねっ! 警戒してしまうのだよっ!

音源がモノラルなのは庵野総監督が主役として出演した「風立ちぬ」を思い出させるが、彼の事だからどこまで何を考えているのやら。ホントにこの予告編、あらゆる意味で謎かけの風味なのにエンターテインメント性の高さを感じさせてくれる。興行収入は別として、内容に関しては、俄然期待が高まってきた。そしてヒカルは千里眼確定。どうやってこんな映画とシンクロする歌が作れたのか? また制作過程を教えて欲しいものですわ。