無意識日記々

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そろそろ遠慮無く映画に触れてくターン

『One Last Kiss』はYouTubeで二週間1500万回再生か。各種チャートでも1位だし、まぁよくバズってること。

気になっているのは、年齢層分布だ。このあとどう波及していくか。それは年齢層によって様態が異なりそう。そもそもYouTubeを利用するのは主に若年層な気もするんだが、映画が直撃するのはテレビシリーズ当時14歳くらいだった現在アラフォー世代になるのかな? 当時熱心なオタクだったとなると大学生くらいとかか。

ヒカルの場合話題性で下駄を履かされた再生回数という雰囲気ではない。確かにエヴァのバズり具合は援護射撃になっているのだが、アニメファンの感覚というのは…そうね、『不滅のあなたへ』のファン達が宇多田ヒカルが主題歌ときいて「作品の格が上がった」なんていう風に受け止めているのをみると、やっぱり単独のブランドとして期待される中でシンプルでキャッチーでアップテンポな曲がハマったという感じか。そういう意味では、前は代表曲の並びとして『First Love』『Flavor Of Life』『Prisoner Of Love』を並べたが、受け取られ方の系譜としては『traveling』『COLORS』『道』に続く曲という風に書いた方がいいかな。

今日夜には19時半からという早めの時間帯で庵野秀明の「プロフェッショナル仕事の流儀」が放送される。内容的に楽しいものにはならないのでその時間帯の早さが吉と出るか凶と出るかはわからないが、ともあれここでまたシンエヴァが注目される流れは出来るかもしれない。

ただ、本当に諸刃の剣でなこれは。「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」という作品は、エヴァを知らずに観て楽しめる作品ではないからだ。それを言うなら昨年の超特大ヒット映画「劇場版鬼滅の刃無限列車編」なんかテレビシリーズの続きでしかないじゃないかと言いたくなるが、あのシリーズはそもそも作画力と劇伴力で支持された作品だから、ストーリーが少々わからなくても大丈夫な性質のものだ。それまでの歴代最高興行収入作品であった「千と千尋の神隠し」なんかもストーリーとしては差程まとまっていなかったが圧倒的な映像力でその地位を確立した。シンエヴァにはそういうプリミティブなカタルシスはない。アクションシーンなんて何やってるのかわからんし、前半の田園風景はキャラに思い入れがなければ退屈だろう。予備知識無くあの二時間半に突入しても楽しめるとは思えない。それがこの作品の弱点であり、また、そっちに振り切ったからこそある程度旧来からのエヴァファンに終劇を納得させることも出来たのだ。

となると、地上波で関連番組を観たからというだけの理由で今日以降劇場に足を運ぶ人が居てもそこまで好評価を得られるとは思えない。寧ろ今日から全体的な評価は下がっていくかもしれない。そんな空気の中で主題歌の『One Last Kiss』がロングヒットになっていくかというとそれは難しいかな〜と思う。

ここからは昔からエヴァに親しんできた人たちに向けてフィルムプレゼントとかそういう企画で劇場に足を運んで貰っていく方が現実的だろう。出来れば、宇多田ヒカルファンに向けても特典ブロマイドとか配ってくれればもう一度映画を観る気にもなるんだけども…38歳のブロマイド? そんなん年齢関係あるかいな。

という感じなので、テンションとしてはロングヒット祈願という風にあたしはなっていない。そんなこと言ってるけど、事前には『One Last Kiss』がここまで爆烈ヒットするだなんて全く予想出来ていなかった訳で、このやや消極的な予想も外れてくれるかもしれんな。そこらへんもアタマに入れながら推移を見守りますかねぇ。