無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

Find LIVE In "Find Love", again.

もう一度例のひと言を再掲しよう。

『私が生きているのを実感するのは、息子と遊んだり、夜キッチンでヘッドフォンをして、音楽を聴いて踊ったり、そういうときです。』

https://twitter.com/SHISEIDO_brand/status/1426347845070721024

これ、例えば「ソファに座って目を瞑りゆったりと音楽を聴いてる時」とかじゃないのよね。キッチンで、というからには料理をしているか後片付けをしているか、で立ってあちこち動いている、そんなタイミングだ。真剣に音楽に耳を傾けているというよりは、もっとこう、「音楽に合わせてカラダを動かしている」事が大事なのだろう。

だから私はこの言葉を聞いてヒカルは「ライブコンサート・モード」に入りつつあるんじゃないかと期待しているのだ。

昔から宇多田ヒカルのコンサートでは「立って観るか座って観るか」が議論の対象になってきた。音楽的に、或いはファン層的に、ちょうどその二つの中間になるのだ宇多田ヒカルは。座ってじっくり聴きたいリスナーと、立って騒ぎたいオーディエンスが混じり合う。この際立った存在感を放つ1983年生まれのアーティストは、ただ市場の中心に在るだけではなく、音楽の楽しみ方という点に於いても、ちょうど真ん中というか、いずれにも偏らないバランスに在るのだった。

単純に言えば、そりゃあ曲による。『FINAL DISTANCE』は微動だにせず聴き入りたいし、『This Is Love』のイントロが流れ出してきたのに血が騒がないとか正気か?という気分にもなる。

前回の『Laughter In The Dark Tour 2018』では、ヒカルはドレス姿だった。余りはしゃいだりという雰囲気でもなく、「大人になったねぇ」「アダルトだねぇ」「落ち着いたねぇ」という感想が主流だったのではあるまいか。

その頃より更に3〜5年経ってからのツアーなんだったら、皆一様に老けてるんだし、ますます落ち着いたトーンに……は、ならないと思うのだ私は。単純に、世界的なパンデミックで、皆抑圧されてきてるんだから、そこから解放される頃には目一杯はしゃぎたい、羽目を外したいと思ってるんじゃなかろうか。ヒカルは、そんな空気を敏感に察知するんじゃないかな。なので、次のライブはもっとはしゃげる衣装を纏うと思う。

勿論、「曲による」のだから、二時間あまり、20曲以上の選曲の中で様々な起伏を作るだろう。座ってじっくり聴きたいリスナーを置き去りにするような人ではない。が、それをじっくりしっかり踏まえた上で、ヒカルはアグレッシヴに来てくれると期待している。『Find Love』のダンサブルなサウンド(この言い回し昭和っぽいな……)はその予兆、その幕開けになる、のだろう。前も書いた気がするけど、『Exodus '04』並の、長尺なリミックス・シングルをリリースしてくれないかしらねぇ? エンドレスリピートして朝まで踊り狂えるような濃いヤツを、ね。