無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

宇多田ヒカルの3年間が73分間に込められました

恐ろしいな。普通誰かのニューアルバムにアクセスする時には集中力とテンションを上げて向かい合わないとと少々力むもんなんだが、相手がヒカルの場合「寧ろ多少テンションを下げてから向かい合わないと心身共に危険なのでは!?」という心配が浮上してくるんだから。真っ新な新曲が2曲だけで本当によかった。いっぺんに5曲も6曲もあんなクオリティの楽曲と相対してしまったら色々と人として精神が保てなくなって明日のスケジュールに響くもんね。配信ライブと(関東と東海では)ラジオもあるんだもんなぁ。出来るだけ正常な人間として明日一日の24時間を過ごせるように心掛けねば。

まぁ、それでもやっぱり、いきなりフルコーラスの『BADモード』で狂喜乱舞する自分の姿しか思い描けてないのですがね今は…。

こういうときは通常更新にしよう。平常心、平常心。

今回のアルバム『BADモード』で最も古い収録曲は3年前の今日、2019年1月18日にリリースされた『Face My Fears』である。恐怖から始まって絶不調というタイトルを冠するアルバムが完成した、というとどんなに不吉で不運な作品かとなりそうだが、今まででいちばん前向きな作風になりそうなのだからわからないものだ。まぁ、『Face』が「面と向き合う」だからね。眼前の恐怖と敢えて向き合う強さから始まった物語なのだこれは。

今回のアルバムで要となるのはやはりタイトルトラックの『BADモード』なのだろうが、その嚆矢となった『Face My Fears』もまたアルバムのムードを(気分を?)決定づける重要な楽曲だ。何しろこの曲だけで14曲中3曲を占めるのだから。日本語バージョン、英語バージョン、そして未知なるA.G.クックによるリミックスバージョンだ。

意地悪な見方をすれば、スクリレックスと作り上げたサウンドが余りにも当時のシーンにそぐうものだった為、その揺り戻しでリミックスを収録しようということになったとも考えられる。更にもうひとつ意地悪な見方をすれば、当時ミックスを英語圏民に任せてしまった為怪しい日本語が残ってしまった後悔もあったかもしれない。「あるきとに」。

昨今の音楽シーンの動きはとても激しい。3年前はフレッシュだったビリー・アイリッシュサウンドが今や彼女の真似をすれば保守的と言われる始末。スクリレックスが当時作り上げたサウンドも、日本では然程気にされないかもしれないが、こうやって海外でもアルバムをリリースするヒカルからすれば既にアウト・オブ・デイトな匂いが漂い始めているのかもしれない。

「アルバム」というからには、「その頃の自分」をそこに封じ込めるという意味で、セピア色がかってくるのは寧ろ歓迎すべきことですらあるのだが、それはそれとして、今の感覚との違いを示すのもまた必要なのではあるまいか。従って今回は、スクリレックスとのバージョンもきっちり収録した上でA.G.クックのリミックスもフィーチャーしたのだろう。決して過去を否定するのではなく、同じ曲だからこそこの3年間がどんなものだったのかをその違いを通じて感じ取ることが出来るようになっているのではないかと推測する。

果たしてその推測は当たっているやらどうなのやら。もうあと3時間程でそれもわかる。いや、73分もあるからわかるのは4時間以上後か。寝て起きてからかもしれんし、そこらへんはあたしもわからん。それはもう、本能に従おう。極端に言えば、明日聴く必要もない。ラジオもライブも、順々に自分の時間で接していけばいいのだ(ライブは4日間だしラジオのタイムフリーも1週間だけどね)。大事なのは、少なくともその時点まで健康に辿り着く事だ。どれだけ直前になっても油断しないぞ。今日一日ホントそわそわしっぱなしで過ごしてきたからな! 耳掃除してもふもふ待機だ!(謎)

ふぅ、それではまた明日会いましょう。途轍もない明日は、もう目の前だ。