無意識日記々

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宮殿の夕鬱

「ロシアのウクライナ侵攻」のニュースは、どれくらいの波及度なのかな。ふっとフォロワーさんのツイートをみると、メンタルが弱る方向に棚引いてるように思うので一回情報を遮断する事も考えてみて欲しいとこだけど、テレビもウェブもスイッチを切るっつったって難しいわね。これ読んでくれてる時点でブラウザ開いてるんだしな。

「ロシア側が核抑止部隊に命令」とかいうニュースと『Kremlin Dusk』がダブって見えてしまい。クレムリン・ダスク─2004年発表の『EXODUS』アルバムに収録されていた一曲だがついぞヒカルの口からタイトルの由来に関する話は聞けずじまいで。インスピレーションだって言ってたっけかなぁ? よく覚えてないのだが、ヒカル自身も明確な意味を理解していなかった風だった。

クレムリンというのはロシア語で「城塞」のことらしいが、伝統的な使い方としては、旧ソ連共産党や現ロシア政府のことを比喩的に指す用語だ。日本で行政や立法機関のことを「霞ヶ関」と呼ぶのに近い感覚かな。或いは、プログレファンがキング・クリムゾンのデビュー・アルバムのことを「宮殿」と呼ぶようなものか。一般名詞が固有名詞として扱われるというのもなんか凄いわね。

そしてダスクというのは夕暮れのこと。なのでクレムリンダスクとは「政権中枢の夕暮れ」のことを指す事になる。一義的には。

この度の侵攻に於いて核の話題が出てきたとなれば、いよいよ政権の末期状態を示唆すると取れてしまう為、この「宮殿の夕暮れ」のメタファーが自分の中で重なった。どんな建物なのかもよく知らないモスクワの宮殿が夕暮れの陽射しを浴びて真っ赤に映える姿を。斜陽というやつですね。ついでにその前に拡がるのは赤の広場らしい。もう画面全体が真っ赤っかで上坂すみれのテンションが爆上がりになるのが妄想される。

この赤が血塗られた赤に染まらないよう極東の地から祈るかことしか出来ないけれど、どうか少しでも平和裏に事が進みますように。

あけすけに言ってしまえば、ロシアへの経済制裁で全世界的にエネルギー価格が上昇し、うちらの買う日用品もまた値上がりするんだろうなぁやれやれ、というのが実際の繋がり方だったりもする。どれだけ現地で軍人やら一般市民やらが殺し殺されされていても、実際の影響は手許の財布がほんの僅かに軽くなる事だけ。人の命は一円玉以下なのか。これで切実さを持てというのはきっと厳しい。もっと親密に全世界が文化的に結び付いていけば、誰もが世界のどこかの紛争を自分事として捉えるようになるのなるのだろうか。「ウィグルのときなんで騒がなかったの?」「なぜシリアを傍観した?」というメッセージが目に入る。きっと名も知らぬ地で大なり小なり似たような事があるのだろうな。シークレット・プロパガンダには、くれぐれも、惑わされないよう自戒しておきたい。

なんか月曜の朝から湿っぽいけど、週末お腹壊して寝込んでた余波でしかないので気にしないで欲しいっす。苦笑いっ。