こうやって音源のアルバムとして並列させて『BADモード』と『LSAS2022』を聴いてると、曲は殆ど同じなのに印象が随分違うなと。だって『LSAS2022』の楽曲12曲中10曲が『BADモード』の曲だし、『BADモード』の楽曲14曲中10曲が『LSAS2022』の曲なんだもの。
つまり、『LSAA2022』の曲に該当しない『BADモード』の楽曲、即ち『気分じゃないの(Not In The Mood)』『Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー』『キレイな人』『Face My Fears(A.G.Cook Remix)』の存在感が非常に大きいということと、『BADモード』収録ではない『LSAS2022』の楽曲『Hotel Lobby』『About Me』の効果が中々に侮れないということだろう。
更には、トリッキーな要素も在る。『LSAS2022』では『Face My Fears』が日本語版と英語版両方の2トラック収録されていて結構目立っているのだが、ここのバンドアレンジの与える印象が、どちらかというとSkrillex & Pooh BearによるオリジナルよりA.G.Cook Remixの方により近い。これもまた、『BADモード』本体とは異なる印象を与える結果となっている。
そして何より、演奏とサウンドが違う。ただ違うのではなく根本的なコンセプトが違う。そこらへんは先週書いたので割愛するが、結果、曲が大幅に重なっているのに『BADモード』と『LSAS2022』は全く別の独立したアルバムとして扱うべきという感覚が強い。あっさり言ってしまえばやっぱりこれは「ニューアルバムの発売」なのだ。
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@utadahikaru :
ライブの音源も、配信中です。実はライブ音源出すの初めて。
The recording of the performance is out on streaming too :)
posted at 2022/6/12 00:39:28
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ヒカルにも初ライブ音源という自覚があってよかったよ。基本的にライブアルバムってのはアーティスト本人が全く関わらなくても発売になるものなので把握してなかったとしても全然不思議じゃないのだが、最近告知に熱心なヒカルはちゃんと押さえていたね。と同時に、今の私みたいに「ニューアルバムの発売だ!」というテンションでもないわな。まぁそれはそうだろう。既発音源だもんね基本的に。
今はベストアルバム出すにしても新しいマスタリングやリミックス、新規音源がないと「そんなんプレイリストでいいじゃん」となるものだから、今回のやり方はひとつ新しい方法論の布石にはなるかもしれない。つまり、ヒカルも昔『Single Collection』は2枚出しているがベストアルバムはまだなので、将来リリースするときにライブテイクでのベストアルバムなんていうやり方も有り得るんじゃないかなと。
今後どんどんCDでのベストアルバムがリリースしづらくなっていく中、やり方としてはコンサートチケットなどとのバンドルか、音源としての新しい魅力かといったものが必要になってくる。だが本来ベストアルバムはアーティストの休止期間にリリースすべきものなので、新録を要求するとなると本末転倒だ。ならば今までのライブDVDに収録されていたものを初音源化してそれでベストアルバムを構成したら面白いのではないかなど。実現可能性は兎も角、アイデアのひとつとして考えておくのも悪くないかもしれないわ。