無意識日記々

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「あなたが(新訳を)提案する前に」

さてその『About Me/アバウト・ミー』の新和訳。どこから手を着けたらいいかわからないので取り敢えず冒頭から行くかな。タイトルを含むセンテンスだしね。

『My baby, there's something you should know

 About me, before you propse』

これはグーグル先生(以下G)に任せるとこう。

G:「私の赤ちゃん、知っておくべきことがあります

 あなたが提案する前に、私について」

何も間違っちゃいないが、歌の文脈には合わないわね。DeepL先生(以下D。神の天敵ではない(余計なこと言わない))に任せるとこう。

D:「私のベイビー、あなたが知っておくべきことがあります。

 あなたがプロポーズする前に、私について」

おぉ、お見事。満点ですね。こういうことです歌詞の意味としては。

さてそれが2004年リリースの『エキソドス』収録の公式和訳だとどうなるか。音楽ジャーナリストの新谷洋子(しんたに ひろこ/以下S)氏による和訳がこちら。

『私のベイビー、プロポーズする前に、あなたが私に関して

 知っておくべきことがある』

そして最新版、LSAS2022Netflixで見られる恐らくヒカル本人による訳(以下U)がこちらだ。

『ベイビー、

 あなたがプロポーズする前に

 私に関して

 知っておくべきことがある』

…そう、殆ど変わらないのよね!

 ここが今回の和訳の不思議な所で、この冒頭だけでなく、歌詞全編に渡って「ほんのちょっとのちがい」しかないのよね。そもそも2004年の時点で新谷氏は作詞者本人とメールで遣り取りしながら和訳を完成させた訳で、誤訳が存在していないどころか、ヒカル本人も納得した和訳だったのだから、今更どこも修正しようがないのだ。それを敢えて新訳した、というからには、ヒカルにとって、2004年発表の歌を2022年にライブ・バージョンとして自分の姿込みでリリースするとなった時に何か変えたくなった要素があったとみるべきで、とするとこれは、その幾つもの「ほんのちょっとのちがい」から、その変えたくなった要素を抽出していくという、とても地味な作業に終始することを、予めここでお伝えしておきますね。要するに重箱の隅をただひたすらつつきまくるつもりだということだ! 新情報が飛び込んできたらそちらに食いつくのでそれまでの辛抱ってことでひとつ。