無意識日記々

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「字幕が欲しかった」という身も蓋もない理由の可能性。

前回の再掲。

S:『私のベイビー、プロポーズする前に、あなたが私に関して

   知っておくべきことがある』

U:『ベイビー、

   あなたがプロポーズする前に

   私に関して

   知っておくべきことがある』

殆ど変わらない。改行は私が勝手にやってるので気にしないで。逆に言えば、なぜこんな微細な違いしかないのに改めて新訳を書き下ろしたのか?

…これ本当は大オチに持ってきたかったんだけど最後まで見ていく前に新情報が飛び込んでくる気がするので先に書いちゃえ。

えとね、もしかしたら、『About Me』の新訳を書き下ろしたのは、単に「字幕用」が欲しかっただけなんじゃないか、ってね。思ったりの。

つまり、字幕で流すからあんまり字数が多過ぎる箇所は字数を減らした、とかそんな理由だったりしないかなって。すぐ次に遷っちゃうと読み切れないからね。

例えば↑の例でも、Sでは『あなたが私に関して』になっているのがUでは『私に関して』と短くなっていたりね。『あなたが』が無くても意味が通じるので。

…なんていう話を、散々対訳比較しまくった後に持ち出してきてたら面白いなと思ったんだけど先に出しちゃいました。てへ。

という訳で、そんな「技術上の」理由もあるかもしれない事を踏まえた上で、それでも素直に歌詞を見較べていきましょうかね。続いてはこちら。

『Although we have known each other for quite a while』

これの訳がそれぞれ以下。

G:私たちはかなり長い間お互いを知っていましたが

D:私たちは、かなり長い付き合いですが

S:出会ってからかなりの時間が経つけど

U:もう長い付き合いになるけど

こんな感じ。やっぱり、Uはコンパクトにすっきり訳している印象ですね。SがGに近く、UはDに近い。新谷氏は作詞者にそれなりに気を遣って正確さを出していきたい一方、作詞者のヒカルの方はそんな細かい気遣いをすることなく(自分自身の歌詞に対してだもんね!)思い切って意訳に振れられる。その違いがよく表れた一行ではないでしょうか。それにしてもDの自然さは凄い精度だねぇ。かなりヒカルの訳と似ているじゃないですか。これも日々進化しているのだろうから、来年訳した時はまた変わってるかもしれないわ。

しかしこの企画…もしかして、「今までAbout Meの歌詞の意味なんて考えたこともなかった」人たちに改めて詞をじっくり味わって貰えるいい機会になる? ほんと、なんともヒカルらしいほろ苦い本音と実感が込められたいい歌詞なので、そうね、歌詞の解説も絡めながら対訳比較を続けていきましょーか。こういう時でもないと、英語歌詞の歌の内容を味わう機会ないもんね。