無意識日記々

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アルファがベータをカッパらったらイプシロンした。なぜだろう?

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221012/k10013856061000.html

JAXAがロケットの打ち上げを“失敗"したそうな。19年振りのことらしいが、話を聞くとロケットの操作が出来なくなる前に爆破したのだと。私なんかはこのニュースを聞いて「自爆装置が実際に作動する事が分かってよかった」などと思ったけどね。確かに衛星は無駄にしたかもしれないが新たな被害を巻き起こした訳でも無く、事故時のデータも取れたのなら全体的には前進だろう。そんなに気にすることでもないのではないか。にしても、普段ロケットが無事打ち上がった時のニュースに較べて扱いの大きいこと! そんな風に非対称に報じるから誤解されるんだよねぇ。

宇多田ヒカルも今まで順風満帆に活動してきた訳ではなく、邦楽市場のアーティストとしてみれば売上面で“失敗”扱いされたことは多々あった。代表的なのが2005年9月に発売された『Be My Last』のシングルCDで、当時初週売上12万枚でありながらダブル・プラチナ・ディスクを獲得したのだ…

…と書くと、それのどこが失敗?と思わず訝る話になるのだが、当時CDシングルのダブル・プラチナ・ディスクの基準は出荷ベースで50万枚だったのだ。つまり、50万枚CDを作っておきながら最初の1週で12万枚しか売れなかった。CDシングルの売上累計は大体初週の2倍余りに収束するから、いやはや日本には『Be My Last』のシングルCDが物凄く余ってたんだねぇ。そういう意味では大失敗だった。まぁつまり、宇多田ヒカルという名前の神通力に頼って最初沢山生産したんだけどアテがハズレたって話だったのね。

でも話はこれで終わらなかった。2005年当時その『Be My Last』はiTunes Storeのダウンロード・チャートで年間第2位を記録したのだ。当時この記録は殆ど話題にならなかった。というのも、楽曲ダウンロードというメディア自体の認知度がまだまだ低かったからだ。iPhoneがリリースされるのがこの2年後の2007年だからね。YouTubeがアングラアウトロー感満載でやっとローンチしたその頃にもう既に宇多田ヒカルはフィジカルからの脱却を目指していたという訳だ。その甲斐あってその2年後の2007年には『Flavor Of Life』が、一時的にではあるものの、ダウンロード回数の世界記録を樹立する。それもこれも、CDシングルの売上を度外視して早めにダウンロード市場に仕掛けたのが奏功した為であった。

つまり、一見現時点では失敗にみえることでも長い目でみるとどうなるかはわからない。JAXAのロケット打ち上げ“失敗”だって、今後どのような評価になるかなんて見当もつかないのだ。今回の出来事を如何に未来に活かしていくか。成功しようが失敗しようが結局はそこの所がいちばん肝心なのでした。