無意識日記々

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UHSCv1発売19周年記念日

一昨日LMYKさんのデビューアルバムが発売になった。おめでとさん。ヒカルのレーベルメイトとして順調に活動してくれて嬉しい限り。絡んだことの無い人をブロックしたり問題発言したりとかしない人なので安心してみていられる。

さてそんな彼女の初めてのアルバム、曲順をみてニヤリとしてしまった。どちらもシングルリリースされていた2曲、「0(zero)」と「UNITY」が1曲目と2曲目なのだ。0からのスタート、というのはわかりやすいとして、unityという単語も語幹はunit、「単位」なのだ。単位というのは「1」のことなので、キャリアを「0と1」からスタートしたという宣言なのだろう。インタビューとか聞いてないけど。

でなんでニヤリとしたかというと、レーベルメイトで大先輩である宇多田ヒカルもまた「0と1」からスタートしていたから。いやだってさ、『First Love』のFirstって「1番目」って意味だし、Loveはテニスでスコア「0」のことなんだもん。「1と0」からのスタートだったんですよヒカルさんも。

ヒカルの場合、そのあとも徹底してるのがいい。セカンドアルバム『Distance』は「距離」。距離の定義は「0と1の間の長さ」を単位(unit)とすることだ。ここで点だったものが線になる。そしてサードアルバム『Deep River』は「深い河」。深さ、depthは次元を1つ増やすことだし、riverの河というのは「流れ」、線上を時間が流れるという意味だ。時間も空間と同じく次元の1つなので、宇多田ヒカルはアルバムをリリースする毎に0次元1次元2次元3次元と次元を増やしていったのだった。LMYKさんは今後如何するだろうね?

ヒカルはこのあと4枚目のアルバム『ULTRA BLUE』をリリースする。紫外線の「Ultra Violet」になぞらえたタイトルは、初めて「光」に関連して選ばれた言葉でもあった。曰く、言葉の流れを綴った『DEEP RIVER』が「詩集」なら世界の拡がりを示した『ULTRA BLUE』は「画集」なのだと。目で色と光を捉えるイメージだな。0、1、距離、深さ、時間ときて世界の広さを歌った挙げ句に次の5枚目『HEART STATION』で原点、「Heart(物事の中心、核心、本質)」に還っていった。タイトルを並べるだけでもなんともドラマティックな第1期12年だったのだ。

その第1期の5枚のうちの最初の3枚のシングル曲と次の4枚目のスタート曲『COLORS』を収めたのが、19年前の今日発売になった『Utada Hikaru Single Collection Vol.1』だ。『Another Chance』も『DISTANCE』も『Deep River』も入ってないアルバムをベストと言うのは抵抗がある…と思ってきたけど今後ベストが出てもそれらの曲が入り込めるかどうか不安になるくらいその後に名曲をわんさか送り込んでくれたのでまぁもうベスト盤て呼んでもいいかシンコレ1も。…って、投げ遣りだな。(笑)

ということで、前回想定した「昔の曲の方が好き」な人達も含めて多くの人が愛して止まない楽曲達がCDの再生時間ギリギリ(でもないか?)まで収められているこのシングル・コレクション。これを聴いて気に入った人は是非オリジナル・アルバムを順番に聴いて、宇多田ヒカルが次元を超えるどころか自ら次元を生み出していった過程を堪能してうただきたい思うところなのでありましたとさ。LMYKさんもシングル・コレクションが出せるくらいまで頑張って欲しいものですわねぇ。