無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

Simple And Clear, Single And Clean.

最近の無意識日記は「それ140字で呟けるやん?」というシンプルでシングルなテーマを10倍くらいに薄めて引き延ばした日記と「それで何冊何百万字書けると思ってんのん」という複雑多岐に渡る内容を無理矢理押し込んだ日記が相互に入り乱れていて面白い傾向だなと思ってたんだがこれあれだ、最近の漫画「ONE PIECE」の影響だわ。

ここ1年の同作は最終章に入ったということで毎話世界情勢編という様相を呈していて、これ第1巻の頃のペースで描いたら200ページは費やすよね?という内容を2コマ位で駆け抜けている。とんでもない密度なんだけど一方でくだらないギャグにもしっかりコマを取っていて尾田栄一郎って変わらんなぁとよく感服している。乱視の所為か線は一定してないけど。

で、これ多分なんだけど、描いてる方はくだらないギャグ描いてる時が楽しいんだよね。積み上げたアイデアを描写する時は背景にある蓄積に基づいて「否応なくそうなるもの」を渋々ではないんだけど淡々と描き下す感じになるからね。義務まではいかなくてもそうして然るべきというか。

あたしも、いや尾田みたいな人類史上最高の天才と比較する気は無いけれど(無いですよ?)、何冊も本が書けそうなテーマについて書く時よりひとネタを薄めて書いてる時の方が楽しいし…と言おうと思ったんだけど分厚いテーマ書いてる時も楽しいわ。思ってたんと違った(笑)。

ただ、うん、薄めて書いたものの方が読みやすいのよね。こう、リラックスした感じでシンプルなワン・アイデアを頭にやんわりとインプットしてくれるから。前回ので言えば「ライブでヒカルが『気分じゃないの(Not In The Mood)』の間奏を自分で弾いてくんないかな?」っていう欲求だけ頭に残れば良い訳で。これなら140字内で呟けちゃうし、実際その程度のことしか言ってない。でも書き手としても読み手としても、それでいいんだよね。読んだり観たり聴いたり嗅いだり味わったりした後に、何か一言感想が残ればいいのよ。印象に残った一瞬なり一言なり一音なりが在れば。その為には、分厚いテーマも薄めたテーマもどちらも同等の素材の一つでしかないのよねぇ。

日記閲覧とはいえこれも「読書体験」の一種だと思ってるので、そんな感じでここに訪れてうただければ幸いです。

ヒカルも似たようなこと感じてるんだと思うわ。「ここでキーボードが3つ、少しずつ強勢をずらしながら拍を刻んでるよね」って指摘されても勿論嬉しいんだけど、誰かに「パクチーパクパクって歌、なんかついつい歌っちゃう」って言われるのめっちゃ好きだと思うんだわ。「音楽のややこしい話はわからないわ」という人も「歌詞の深い解釈とか難しい」という人も、きっと全く気にしなくていい。作る方は複雑さや難解さもその最中には拘って作ってるだろうけど、完成品に対する感想はシンプルなものでいい。シングルなものがいい。たったひとつ残ればそれが答えなのよね。なので、物事に触れた時の感想は「美味しかった」「歌うまいね」「綺麗な絵だった!」みたいなので必要十分なのです。書き手としても読み手としても、つくづくそう思う春の夜なのでありましたとさ。