無意識日記々

mirroring of http://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary

確かに「もう死にそう」なウィノナでした。

リチャード・ギアウィノナ・ライダーの「オータム・イン・ニューヨーク」を観たぞ。秋から冬にかけてのニューヨークの美しい風景とギアの甘いマスクと若い頃のライダーの小悪魔的な可愛さがじっくりと堪能できる105分であった。物語自体は非常にオーソドックスに編まれていてそこらへんは結構リラックスして構える事が出来る為、この都市と2人の名優が好きな人には堪らない逸品でしょうな。

なるほどこの頃のウィノナ・ライダーのフレッシュな魅力とそれと共にどこか病的な予感を孕んだ美しさはそれこそ2009年頃のヒカルのもっていた美しさと危うさに随分と符合している。事実、14年前の、ちょうど今日だよ2009年5月12日にヒカルは【To my fans in America!】と題してニューアルバムの発売日にプロモーション活動の一切の停止を宣言した。

https://www.utadahikaru.jp/en/from-hikki/index_3.html

『I'm sick.』と言い切っているが、これが具体的な症例名である扁桃周囲炎の事のみを指していたのかどうかはわからない。今のヒカルが健康なんだからもうどちらでもいいことなんだけど。

「オータム・イン・ニューヨーク」でのウィノナ・ライダーも、病気によってある瞬間に突発的にそこまでの活動が制限されてしまう。この映画をヒカルが観ていたとしたら共感度は高かったろうね。『Me Muero』を書くにあたって念頭に置いた可能性は大いにあるだろう。イスタンブールゴディバといった固有名詞とは関連が無かった模様だけれども。

ただ、ちょいと思い出したのが。ついこの間Instagramを投稿したじゃないですか、『Autumn in NY』から始まる文章で。

https://twitter.com/utadahikaru/status/1585356348153266209

【NYの秋、水面に揺れる夢の痕。】

https://blog.goo.ne.jp/unconsciousnessdiary/e/52f365d5fe33902d11b54d435f322938

あぁ、ルビ振り忘れてるけどこれ「まちのあき、みなもにゆれる、ゆめのあと」って読みますのよ。

ここでヒカルは

『Autumn in New York

 You’ll need no castle in Spain』

って書いてるのよね。文章自体の概説は↑リンク先にあたしが書いてるんだけど、結局そもそも「なんでこの一節を選んで投稿したのか」はわからなかった。なぜスペインの城んとこを引用したのか。

んでふと気がついた。『Me Muero』ってスペイン語じゃん。スペイン語で「私もう死にそう」って意味じゃん。もしかしたらヒカルは、秋のニューヨークを眺めてるとスパニッシュ・フィーリングに近いものを感じてしまうのかも。昔力説してたジプシー・キングスのフィーリングにも近いヤツ。別に彼らはスペインのグループではないけども。なので、ヒカルの中では秋のニューヨークとスパニッシュ・フィーリングが繋がっていて、『Me Muero』の歌詞にウィノナ・ライダーを登場させたくなったのかなって。だとしたらこの「オータム・イン・ニューヨーク」をヒカルが観ていた可能性は更に高まるかもねと思った次第でありましたとさ。