無意識日記々

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「転」部への誘い

戦争物の主題歌となると、かなり大きな括りでみれば「Casshern」以来ということになるか。11年前の終戦記念日にヒカルは同作の主題歌『誰かの願いが叶うころ』の歌詞を引用して呟いた。

『私の涙が乾くころ あの子が泣いてるよ/このまま僕らの地面は乾かない 誰かの願いが叶うころ あの子が泣いてるよ/みんなの願いは同時には叶わない 『誰かの願いが叶うころ』 bit.ly/aDQw1z RT @Wayu_Hyoune: それのお題の歌作ってみて!』

https://twitter.com/utadahikaru/status/235611677536702464

これまた大きな括りで、「キングダム 運命の炎」の主題歌たる『Gold ~また逢う日まで~』も、その『誰かの願いが叶うころ』と同様のピアノバラードだということが出来る。

「キングダム」「キングダム 遙かなる大地へ」の2作に関しては主人公・信が戦いの中生き残り勝利していく様が描かれていたが、「キングダム 運命の炎」では今度は負けて死ぬ方のエピソードが描かれるのだろうか。

https://rockinon.com/news/detail/206486

映画プロデューサー松橋真三氏のコメントにはこうある。

「映画を観終わった最後、再びこのエピソードを思い出せるように主題歌をお願いできませんか?とお願いしました。」

やはり、ストーリーに準じた歌詞が歌われている可能性が高い。また、こうもコメントしている。

「物語に涙し、優しい気持ちになり、人の可能性に希望を託す、人間の本質は「光」であると、

そんな美しい歌をお願いしました。この作品を包んでくださるのは宇多田さんしかいないと。」

なるほど、優しさ、希望、そして光。このようなテーマならヒカルに依頼が来るのも納得である。そして彼もまた

「この見事な主題歌を、ぜひ劇場の大音響で体感して心震わせてほしいと思います。」

と「大音響」を強調している。よほどダイナミックなサウンドに仕上がっているだろうか。

話を合わせると、3作目たる「運命の炎」は、イケイケだった最初の2作から一転、戦争の悲しみやそこから見出される希望や絶望などを描く、いわゆる起承転結の「転」部にあたる章ということに、なるのだろうか。となれば、今公開になっている『Gold ~また逢う日まで~』の『追いかけても追いつけぬ~』のパートは、出だしであるよりも、中間の展開部である可能性が高くなってきそうだ。つまり、大音量・大音響で迫るメインパートに対して急に静かになる場面。映画シリーズ全体の「転」部にあたる第3作の予告映像に、主題歌の中の「転」部を真っ先に持ってきた…そう考えることも、出来るかもしれない。

ただ、そうだとすると、エンディング・テーマとしてスタッフ・ロールをバックに流れる時にやや奇妙な印象を与えかねない。なので、このアイデアはひとまず保留にしておきたい、かな。「そんなことも、あるかもしれない」という程度でね。